講演情報

[O3-04]神経活動と行動指標の不確実性を統一して扱う結合潜在過程モデル

*浅川 伸一1、竹市 博臣2、鈴木 航2、山下 和香代3 (1. 東京女子大学、2. 理化学研究所、3. 鹿児島大学)

キーワード:

Brain–behavior linking、Gaussian process latent models、Neural time series modeling、Interpretability in cognitive models

神経活動と行動とを統一的に説明する計算モデルの 構築は認知科学・神経科学における中心課題であるが, 時間的不確実性はなお表現学習,神経モデリング,行 動読み出しの各段階で分断的に扱われることが多い. 本研究では,人間の場面分類課題におけるEEG デー タを用い,この分断が解釈上の失敗を引き起こすこと を示す.すなわち,既存モデルは時間的パターンの再 現や行動予測は可能である一方,神経データ変動と行 動データ変動とを首尾一貫して関連付けることができ ない.我々は,この問題がアルゴリズムではなくモデ ル構造に起因すると捉え,不確実性を単一の潜在過程 に集約する確率的連結フレームワークを提案する.潜 在過程にはガウス過程事前分布を課し,刺激類似性は ノンパラメトリックな連結関数を通じて潜在状態の 初期化に反映される.さらに,神経活動データと行動 データとに個別の変分因子を導入せず,結合潜在過程 に対する統一事後表現を維持することで,不確実性の 分断を推論段階でも回避する.実証の結果,不確実性 の統一によりEEG 時系列変動と行動データとの対応 が回復する一方,時間構造を持つが分断されたベース ラインではこの対応は得られないことが示された.以 上より,神経活動データと行動データにおける時間的 不確実性を統一的に扱う試みはモデリングにおける構 造的条件である.