セッション詳細

研究をプレイする:新しい研究のかたちへ

2026年8月31日(月) 14:30 〜 16:30
2階 OS会場5(BNC209)
オーガナイザー:城間 祥子(沖縄県立芸術大学)、青山 征彦(成城大学)
本OSは、教育環境のデザイン分科会(SIG DEE)による企画である。本OSは、従来の研究とは異なるアプローチを展開している方から話題提供をいただき、いかに研究をプレイ(遊ぶ・演じる)するかを考えることを通じて、新しい研究のかたちを参加者と集合的に創造する場としたい。

 現在の学会を中心とした研究では、研究者が研究の成果を論文という形にまとめ、論文が研究誌に掲載されるというかたちを採っているが、このようなあり方は、何が研究成果であり、研究者とは誰なのかを暗黙のうちに限定してしまっている。こうした研究のあり方に対して、オルタナティブなアプローチに、アートベースリサーチ(ABR)がある。論文という形にとらわれずに成果をアート作品として表現するABRの試みは、研究のあり方そのものを変化させるポテンシャルを持っていると言えるだろう。例えば、心理学における論争を演劇の形で示した発表や、ワークショップの参加者が生み出したものを作品とするなど、従来の研究の枠組みに当てはまらない研究のあり方が模索されてきている。

 また、研究は本来、誰にも開かれたものである。しかし、現在の研究の知見を流通させる仕組みは、研究成果を著者(個人やグループ)へと帰属させ、専門のトレーニングを受けた者でなければ参入することが難しいという状況をつくり出している。アクションリサーチのように、研究者だけでなく、研究に関わったすべての人々を含む集合的なプロセスとして研究成果を示す方法論も探究されてはいるが、例外的な位置にとどまっている。さらにいえば、研究は研究者を含めた集合的なプロセスによる成果だという前提を受け入れるならば、(プロの)研究者はそこでどのような役割を果たすべきなのかも検討されなければならないだろう。

 そこで、研究をプレイする(遊ぶ・演じる)ことを通して、従来の研究の枠組みに当てはまらない研究をいかに行うかを考えたい。OSにおいてこれらの問いを探究することも新しい知を生み出すプロセスに他ならない。そのため、本OSそのものも、協働的な探究のプロセスとして作品化することを試みる。


話題提供1 観客と研究をプレイする ―ドキュメンタリー演劇による知の継続的生成―   
川島裕子(関西大学 総合情報学部)
アートベース・リサーチとしてのドキュメンタリー演劇は、制作過程だけでなく、公演も研究プロセスとなりうる。本発表では、公演前後の参加型ワークショップを通した観客との対話に焦点を当て、その応答が研究者や当事者の問いをいかに更新し、新たなインタビューや作品制作へと展開していったのかを報告する。演劇公演を契機として研究がどのように展開・継続し、新たな問いや知が生成されうるのかを通して、新たな研究のかたちについて議論したい。

話題提供2 なぜ研究をプレイするのか
仲嶺真(荒川出版会)・北本遼太(荒川出版会・静岡産業大学 経営学部)
私たち荒川出版会は、「正解(仮)をともにつくる」をスローガンに心理学について多様な人々と考える活動を行っている。その実践の一つが、言語や論理に偏重した従来の研究発表の限界を乗り超えるべく昨年度の日本心理学会で実施した「演劇シンポジウム」である。本発表では私たちが演劇に行き着いた経緯を共有し、「研究をプレイした先にどのような未来が開かれるのか」を参加者とともに議論したい。

話題提供3(公募)  プレイがつなぐ研究と社会:市民・クリエイター・SF 作家による実践を通じて
林尚芳(心理学研究コミュニティ あいまいと、知財ハンター協会 )、櫃割仁平(心理学研究コミュニティ あいまいと、ヘルムートシュミット大学 )、荒井亮(株式会社コネル、知財ハンター協会)、玖馬巌(SF 作家、Academimic 合同会社)

話題提供4(公募)  「いや,でも」も悪くないかもしれない話
池原優斗(北海道大学 )、竹下昌志(名古屋大学)

パフォーマティブな討論:OS作品化の試み
ファシリテーター:郡司菜津美(国士舘大学 文学部)
4つの話題提供のなかから心に残った言葉を一つ選び、即興でスキットを創作するグループワークを行う。パフォーマティヴな対話を通して、参加者とともに新しい研究のかたちを探究したい。

[OS1-5-01]プレイがつなぐ研究と社会:市民・クリエイター・SF作家による実践を通じて

*林 尚芳1,4、櫃割 仁平1,2、荒井 亮3,4、玖馬 巌5,6 (1. 心理学研究コミュニティ あいまいと、2. ヘルムートシュミット大学、3. 株式会社コネル、4. 知財ハンター協会、5. 日本SF作家クラブ、6. Academimic)

[OS1-5-02-A]「いや、でも」も悪くないかもしれない話

*池原 優斗1、竹下 昌志2 (1. 北海道大学、2. 名古屋大学)