セッション詳細
セレンディピティの認知科学:偶然性は科学の対象となりうるか?
2026年8月31日(月) 14:30 〜 16:30
1階 OS会場2(BNC103)
オーガナイザー:二宮 由樹(南山大学)、三輪 和久(名古屋商科大学)、光田 英司(トヨタ自動車)
OSの概要と構成(PDF)
1.企画者講演 偶然の出会いを期待して能動的に環境に働きかける人
(南山大学 二宮 由樹)
「ちょっと寄り道してみようかな」と偶然の出会いに胸を躍らせ,はじめて通る裏路地に入ってみる,そんな経験はだれしもあるのではないだろうか?偶然起こる出来事はその定義上コントロールすることはできないが,偶然の出来事が起こりやすくなるように環境に働きかけることは出来る.このような視点は,偶然性を単なる出来事から人間の環境に対する働きかけという認知科学の問題へと着地させ,科学的検証を可能にする.本講演では,この視点を支える偶然性希求という考え方と,関連するいくつかの研究成果を報告する.
2.招待講演1 セレンディピティとしての他者:連想に基づく検討
(立命館大学 服部 雅史先生)
自分の創造的活動に対して,思いがけない展開をもたらしうるものの一つが他者である.しかし,他者のアイデアが自分のアイデア探索を妨害する生成ブロッキングという現象も知られており,協同のアイデア生成が必ずしもよいわけではない.他者が自分の発想を広げるのはどのような場合か.本発表では,意味跳躍と脱文脈化という切り口で連想実験データを分析し,協同連想が創造性研究とセレンディピティ認知科学に何をもたらしうるか,情報活用と社会的伝播の観点から考えたい.
3.招待講演2 「デザインされた触発(designed inspiration)」の場の可能性
(東京大学 岡田 猛先生)
セレンディピティにはいくつかのタイプがあるが,いずれも人々が何か新しい物事や人に出会って,創造活動において予期していなかった展開が起こることを意味している.そこには,外部との出会いによる触発(inspiration)に始まり,新しい問題空間の発見に至るプロセスが含まれる.今回の話題提供では,アートにおける触発の研究を中心に,触発やセレンディピティの生起を促す「デザインされた触発」や「デザインされたセレンディピティ」の場の可能性について論じる.
4.企画者講演 産業界から見たセレンディピティの認知科学の価値
(トヨタ自動車 光田 英司)
不確実性が高まる社会・産業環境において,新たな価値創出やウェルビーイングの向上が求められる中,セレンディピティはその一つの突破口になり得ると考える.本話題提供では,発表者が研究開発業務で関わってきた身近な事例を手がかりに,創造的な研究組織と研究開発業務の二つの観点から,その価値を考察する.研究組織では,効率的な業務推進と創造活動に必要な余白の確保を両立することが課題となる.そのため,偶発的な対話,未整理な問い,異なる知との接触,試行からの学びなどを日常業務に織り込む環境づくりが求められる.また研究開発では,日々「お客様の立場になって考えるとは何か」という問いに向き合う.お客様自身の主体性を損なわず,未知の価値に出会い,意味づけ,行動につなげていく体験や環境を支えるセレンディピティは,その一つの答えになり得るのではないかと考える.
1.企画者講演 偶然の出会いを期待して能動的に環境に働きかける人
(南山大学 二宮 由樹)
「ちょっと寄り道してみようかな」と偶然の出会いに胸を躍らせ,はじめて通る裏路地に入ってみる,そんな経験はだれしもあるのではないだろうか?偶然起こる出来事はその定義上コントロールすることはできないが,偶然の出来事が起こりやすくなるように環境に働きかけることは出来る.このような視点は,偶然性を単なる出来事から人間の環境に対する働きかけという認知科学の問題へと着地させ,科学的検証を可能にする.本講演では,この視点を支える偶然性希求という考え方と,関連するいくつかの研究成果を報告する.
2.招待講演1 セレンディピティとしての他者:連想に基づく検討
(立命館大学 服部 雅史先生)
自分の創造的活動に対して,思いがけない展開をもたらしうるものの一つが他者である.しかし,他者のアイデアが自分のアイデア探索を妨害する生成ブロッキングという現象も知られており,協同のアイデア生成が必ずしもよいわけではない.他者が自分の発想を広げるのはどのような場合か.本発表では,意味跳躍と脱文脈化という切り口で連想実験データを分析し,協同連想が創造性研究とセレンディピティ認知科学に何をもたらしうるか,情報活用と社会的伝播の観点から考えたい.
3.招待講演2 「デザインされた触発(designed inspiration)」の場の可能性
(東京大学 岡田 猛先生)
セレンディピティにはいくつかのタイプがあるが,いずれも人々が何か新しい物事や人に出会って,創造活動において予期していなかった展開が起こることを意味している.そこには,外部との出会いによる触発(inspiration)に始まり,新しい問題空間の発見に至るプロセスが含まれる.今回の話題提供では,アートにおける触発の研究を中心に,触発やセレンディピティの生起を促す「デザインされた触発」や「デザインされたセレンディピティ」の場の可能性について論じる.
4.企画者講演 産業界から見たセレンディピティの認知科学の価値
(トヨタ自動車 光田 英司)
不確実性が高まる社会・産業環境において,新たな価値創出やウェルビーイングの向上が求められる中,セレンディピティはその一つの突破口になり得ると考える.本話題提供では,発表者が研究開発業務で関わってきた身近な事例を手がかりに,創造的な研究組織と研究開発業務の二つの観点から,その価値を考察する.研究組織では,効率的な業務推進と創造活動に必要な余白の確保を両立することが課題となる.そのため,偶発的な対話,未整理な問い,異なる知との接触,試行からの学びなどを日常業務に織り込む環境づくりが求められる.また研究開発では,日々「お客様の立場になって考えるとは何か」という問いに向き合う.お客様自身の主体性を損なわず,未知の価値に出会い,意味づけ,行動につなげていく体験や環境を支えるセレンディピティは,その一つの答えになり得るのではないかと考える.
