セッション詳細

創造的知能の探究~用語と分野を超えた対話

2026年9月1日(火) 9:30 〜 11:30
1階 OS会場1(BNC102)
オーガナイザー:服部 エリーン彩矢(慶應義塾大学)、山田 和佳(工学院大学・東京大学)、谷山 建作(東京大学)
OS2-1-1 企画趣旨
OS企画趣旨(PDF)
要旨:創造性は人の高度で複雑な知能の一つであり,認知科学における中核的なテーマである.心理学的アプローチが主流である一方,工学,複雑系,人工知能など異なる分野においても,人の創造性を支えるメカニズム:創造的知能を明らかにしようとする研究は数多く存在する.本OSでは,これらの分野から専門家3名を招待し,それぞれの立場から創造性がいかに捉えられるかを概観した後,パネルおよびフロアディスカッションを行う.分野を超えた対話を通じて,参加者それぞれの新たな研究の可能性が拓かれることを期待する.

OS2-1-2 感性設計学から見た創造性~探究を説明する覚醒ポテンシャルの数理モデル~(招待講演)
話題提供者:谷山 建作(東京大学)
要旨:感性設計学は,ユーザーの感性を設計するための方法論を構築する学問であるが,近年,設計者の感性にも着目し,創造的な設計プロセスそのものの理解と支援へと研究対象を拡張している.本講演では,設計プロセスにおける探究を自由エネルギー原理に基づいて数理モデル化した研究を紹介する.そして,好奇心をはじめとする感性が探究を駆動し,新たな意味や価値の生成へとつながるメカニズムについて論じ,創造性の理解に向けた視点を提示する.

OS2-1-3 整合的な関係性の創発としての創造性~行動計画策定の神経生理学と非線形現象~(招待講演)
話題提供者:坂本 一寛(東北医科薬科大学)
要旨:生命システムは,複雑かつ想定外に変化する環境,解が一意に定まらない問題(不良設定問題)に即興的に対応する.そのような環境についての仮説を設ける(アブダクション)上で,整合的な関係性の即興生成(創発)は,大きな柱である.ここでは,“この順序でやれば目的が達成されるだろう”という仮説としての行動計画の策定に関連する前頭前野神経活動,および,非線形振動子相互作用による行動順序創発の理論モデルを紹介する.

OS2-1-4 集合的予測符号化の視点から見る創造性のシステム論(招待講演)
話題提供者:谷口 忠大(京都大学)
要旨:創造性は個人の知能に還元できるのか.本講演では,集合的予測符号化(CPC: Collective Predictive Coding)の視点から,創造性をシステム論的に捉え直すことを試みる.CPCは恣意性を有する記号体系を人間集団が身体と環境,自己と他者の相互作用を通して組み上げる様を自由エネルギー原理の拡張を通して表現した数理モデルであるが,その枠組は近年,科学研究活動を表現するモデルとしても拡張されている.生成AIが科学研究やコンテンツ創造に深く食い込んでいる現在からその先における私たちの創造的活動や,今後の知識創造社会のデザインに向けて,試論を展開する.

OS2-1-5 パネル・フロアディスカッション