セッション詳細

日常と社会につながるプロジェクション

2026年8月31日(月) 14:30 〜 16:30
1階 OS会場1(BNC102)
オーガナイザー(代表):久保南海子(愛知淑徳大学)
オーガナイザー:岡田浩之(東京情報デザイン専門職大学)、川合伸幸(名古屋大学)
OS企画の概要
プロジェクションは、主体が積極的に世界に意味を与えるという、内から外への能動的な認知プロセスを強調する認知モデルである。これまでの議論では、プロジェクションという概念を用いてさまざまな認知現象を説明してきた。現在は第二段階として、これまでプロジェクションという概念とは無関係に行われてきたさまざまな研究について、プロジェクションを接続することで新たな展開をはかる。話題提供者がプロジェクションという考え方からそれぞれの研究を照射することで、研究のさらなる可能性について考える。


演者・タイトル・概要
(1)話題提供者・楠見孝(京都大学・国際高等教育院)
演題「比喩的プロジェクションと批判的吟味:投射の生成と修正の認知科学」
概要:比喩,デジャビュ,なつかしさ,聖地巡礼,リスク認知の研究をプロジェクションの観点から統合的に論じる。人は未知の対象や状況に対し,知識・感情・記憶・物語を投射して意味を構成する。この投射生成を担うメタフォリカル・マインドは理解と創造を支えるが,リスク認知や社会的判断には偏りも生じる。批判的思考を支えるクリティカル・マインドを投射の吟味・修正過程として位置づけ,両者を統合する枠組みを提案する。

(2)話題提供者・阿部慶賀(和光大学)
演題「器物への心理的伝染とその減衰様相」
概要:日本の伝承には「器物百年を経て命を得る」という言葉がある。人は物に心を認めたり、持ち主の属性を付与したりして(時には負の)価値を見いだすことがある。そこで本研究では所持者の属性が器物に伝染する過程とその減衰の様相について質問紙調査を行った。本発表では調査結果を基に、器物への心理的伝染の付与と減衰の傾向について、所持効果との差異を踏まえたプロジェクション科学としての示唆を議論したい。

(3)話題提供者・大山星馬先生(青山学院大学)
演題「投射現象としての陰謀論信念」
概要:一般的に陰謀論では,出来事の説明として陰謀主体の意図が用いられる.そのような陰謀論を信じるという現象を,陰謀主体の意図の表象が現実世界に位置づけられることだとするなら,虚投射,あるいは異投射として理解できるだろう.また,これらの投射において,アブダクションが果たす役割の重要性が指摘されている.本発表では,アブダクションという観点から陰謀論実践の事例を分析し,投射現象として陰謀論信念を捉え直す.

(4)指定討論者・田中彰吾(東海大学)
(5)指定討論者・岡田浩之(東京情報デザイン専門職大学)