第63回日本油化学会年会

年会実行委員長挨拶

しあわせをつなぐ!自然と協奏,長野で共創!

 

年会実行委員長 酒井 俊郎

信州大学・教授

 

長野へようこそ
 今回,第62回年会の実行委員長であります山形大学(山形県米沢市)野々村美宗先生よりバトンを受け,信州大学工学部(長野県長野市)にて第63回年会を令和7年9月3日(水)~5日(金)に開催させていただくことになりました.上杉謙信公所縁の“米沢市”から上杉謙信公と武田信玄公との「川中島の合戦」の地“長野市”へと繋いでいただきました.長野市は長野県北部に位置しており,飯縄山,戸隠山,黒姫山などの北信五岳を背景に,市内の中央には千曲川,犀川が流れています.ぜひ,長野の自然と協奏いただき,日本酒,お蕎麦,おやき、昨年の米沢牛に負けず劣らず“リンゴを食べて育った信州牛”など、長野の郷土料理をお楽しみいただければ幸いです。

主題と狙い
 日本油化学会のメイントピックであります“油”と“水”は地球上で最も重要な液体であるにも関わらず,互いに混ざり合わないことから,不仲の代名詞とされています.一方で,不仲の代名詞とされる“油”と“水”が混ざり合ったエマルションは私たちの生活に幸せをもたらしてくれます.これこそ、まさに“共創”の代表例ではないでしょうか?2020年に新型コロナウイルス感染症が拡大し,約2年間,時間と空間が断絶されてしまいました.つまり,私たちは混ざり合うことができなってしまいました.人が直接出会うこともできず,学会もオンラインとなりました. 2022年より本年会も対面で実施されるようになり,人が出会う喜び,出会いが生み出す可能性,共創の重要性を改めて実感いたしました.また、自然と共に未来を創り出す協奏の重要性も感じました。長野の自然と協奏していただき、参加者の皆様の共創の場となることを期待しています

 日本油化学会は、その名の通り“油”関連の研究者・技術者が、学術界・産業界から集結し,積極的に研究成果を発表し,事業を企画・運営しております.今回の年会でも、大学・研究機関・産業界の協奏・共創の場として,シーズとニーズのマッチングを図る産学連携シンポジウムを開催することといたしました。新しい出会いは思いがけない未来を創り出します。この年会がきっかけに誰もが想像しない油化学の未来が創り出されることを期待しています。

Select Lectures
 今回の年会においてもSelect Lectures を実施します.この企画は,会員が望む斬新な研究成果を公募し,優秀な研究を選抜して年会で発表していただくものです。下記の1)~3)の分野に関する研究が対象となります。
  1)Oleo materials and nanotechnologies 
  2)Science on lipids, fats and oils, nutrition, health function and foods 
  3)Interface science, surfactant, detergent and cleaning

 副賞30000 円,本年会の参加費・懇親会費無料,Journal of Oleo Science への無料掲載権などの特典もあります。年会の websiteから,4月 4日(金)まで応募可能です.奮ってご応募ください。

市民講座
 年会 2 日目,9 月 4 日の夕方に行われる市民講座は,日本の歴史学者であり,信州大学名誉教授,長野県立歴史館長の笹本正治先生にお願いしました.川中島合戦などの長野の歴史についてお話を伺えることを大変楽しみにしております.学会に参加される皆様に長野の歴史を知っていただくことにより,より一層長野の魅力を感じていただけるものと思っております.また,懇親会においても油化学と歴史の協奏により会話も一層弾み,楽しい時間になるものと期待しています。

アクセスと宿泊
 長野市へは,東京,北陸や東北方面からは新幹線,東海方面からは特急しなの,関西・九州方面からは飛行機や新幹線にてお越しいただけます.長野駅に到着されましたら,信州大学 長野(工学)キャンパスまでは東口から約1.6 km,徒歩で約20分,バスで5~10分となります.また,学会の開始・終了時間にあわせて,専用のシャトルバスを長野駅―キャンパス間で運行する予定です.また,宿泊については市内のビジネスホテルを各自でご予約いただければ幸いです,長野でお会いできることを楽しみにしております。