講演情報
[P-295]非定型大腿骨骨折の骨接合術における合併症とそのリスク因子の検討
岡田 幸正, 横尾 賢, 青山 美奈絵 (福山市民病院整形外科)
【はじめに】非定型性大腿骨骨折(以下AFF)は骨癒合に難渋する。転子下、骨幹部骨折の両方で髄内釘固定が推奨されているが、術中・術後合併症は一定の発生率で生じている。本骨折に対する合併症発生に関与する要因については詳しく検討されていない。今回、我々はAFFの骨接合術における合併症発生率を調査し合併症発生に関与する要因を検討したので報告する。【対象と方法】対象は2014年1月から2022年12月までの期間にAFF完全骨折に対して手術を施行され、1年以上または骨癒合まで経過観察された32例33肢とした。平均年齢79.2歳、男性3例3肢、女性29例30肢、平均経過関節期間は22.9か月であった。調査項目は年齢、性別、経過観察期間、骨吸収抑制薬の長期内服の有無、骨折部位、大腿骨弯曲の有無、術後adjuvant therapyの有無、内固定法(whole femur protection達成の有無とした。検討項目は合併症(医原性骨折、再手術、インプラント破損、癒合不全)の発生率、合併症あり群(A群)と合併症なし群(B群)における調査項目の比較とした。【結果】合併症の発生率は18.2%(6肢)であった。合併症の内訳は続発骨折に対する再手術2肢、整復不良に対する再手術1肢、癒合不全に対する再手術1肢、医原性骨折+インプラント破損1肢、医原性骨折+癒合不全1肢であった。A群とB群の比較では内固定法においてA群でwhole femur protection達成率が有意に低かった(p<0.01)。【考察】AFFの骨接合術後の合併症を予防するためにはwhole femur protectionを達成することが重要である。