講演情報
[11003-07-03]1人でも多くの医療者へコーチングの魅力をお伝えする
*岡田 加恵1 (1. たけしファミリークリニック)
キーワード:
コーチング、バーンアウト
コーチングは、自己理解を深め、専門性だけでなく人間性の向上にも寄与する。特に家庭医は、多様な患者背景や複雑なケースに対応する必要があり、柔軟な思考やコミュニケーション能力の向上が求められます。コーチングは、自己の強みや課題を明確にし、具体的な行動計画を立てることで、日常診療の質を高めるとともに、ストレス管理やワークライフバランスの改善にも寄与する。また、コーチングを通じて、自己の価値観やキャリアビジョンを再確認し、長期的な目標に向かって主体的に取り組む姿勢を養うことができる。さらに、医師同士や医師とコーチとの信頼関係を築くことで、職場環境の改善やチーム医療の推進にもつながります。こうした効果により、医師の自己効力感や満足度が向上し、結果として患者満足度や医療の質の向上にもつながる。若手家庭医にとって、コーチングは自己成長のパートナーとして、より良い医療実践と充実したキャリア形成を支援する強力なツールになる。医療現場は、高リスク・高ストレス・多職種協働の環境であり、医療過誤やインシデントの報告をためらう文化は、患者安全を脅かしうる。また、ジェンダー、肩書き、学年による発言機会の格差が、心理的安全性を損なうこともある。医師コーチングにおけるキャリア支援の目的として、医師のキャリア形成における悩みの背景には、個人の信念や価値観だけでなく、「ジェンダーステレオタイプ」が大きく影響している。これらを見逃すと、表面的な課題解決だけになり、本質的な問題を見逃すことになる。医師コーチングでアプローチできることとして、①ジェンダーステレオタイプによる思い込みを認識させる、②可能性を広げる質問をする(制限された思考を外して、思考の枠組みを広げる)、③クライアント自身の価値観に立ち戻る、事が可能になる。
