講演情報
[11003-07-05]医学部卒前教育における多様性基盤型チームビルディングの導入
*後藤 理英子1、鈴木 伸太郎2 (1. 東京医科大学、2. 昭和医科大学)
キーワード:
リーダーシップ、チームビルディング、多様性
令和4年度改訂版医学教育モデル・コア・カリキュラムは、患者・生活者や社会の抱える多様な課題の解決に貢献できる医師の養成を求め、「自ら考える力」および「リーダーシップ」の涵養を必須項目として明記した。しかし、正式にリーダーシップ教育をカリキュラムに導入している医学部は米国でも約半数(54.5%)に留まり、医学部教育におけるリーダーシップ教育の標準化は十分に進んでいない。
本研究は、多様な制約下での協働を前提とした多様性基盤型チームビルディングを目的とするグループワークを医学部教育に導入し、学生が獲得した具体的な知見および課題意識を質的に抽出、カリキュラムの改善について考察することを目的とする。方法医学部2年生を対象に、2段階で構成されたグループワークを導入した。第一段階では、多様な身体的制限を伴うコップタワー作成ゲームを実施。ここではチームリーダーを「育児中の医師」(3 kgの児を抱く)に固定し、リーダーシップの発揮を試行させた。第二段階では、病院のユニバーサルデザインをテーマとし、リーダーを立候補で決定した後、リーダーによるビジョンの共有、メンバーからの提案、チームとしての合意案の形成、そしてリーダーによる全体発表を行った。授業後の学生のレポート記述を質的データとし、KJ法を用いて分析した。
分析の結果、学生は、チームビルディングに関する具体的な知見を獲得し、自らのリーダーシップに対する課題を深く省察することができていた。
本研究で導入した多様性基盤型チームビルディングは、モデル・コア・カリキュラムが求める「自ら考える力」と「リーダーシップ」の学修を効果的に促進する実践的な教育手法であると評価できる。得られた知見と、これまでの文献的考察に基づき、医学部における、医療現場の多様な環境下で求められるリーダーシップ能力を系統的に育成するための、新たな教育カリキュラムの提案を行う。
本研究は、多様な制約下での協働を前提とした多様性基盤型チームビルディングを目的とするグループワークを医学部教育に導入し、学生が獲得した具体的な知見および課題意識を質的に抽出、カリキュラムの改善について考察することを目的とする。方法医学部2年生を対象に、2段階で構成されたグループワークを導入した。第一段階では、多様な身体的制限を伴うコップタワー作成ゲームを実施。ここではチームリーダーを「育児中の医師」(3 kgの児を抱く)に固定し、リーダーシップの発揮を試行させた。第二段階では、病院のユニバーサルデザインをテーマとし、リーダーを立候補で決定した後、リーダーによるビジョンの共有、メンバーからの提案、チームとしての合意案の形成、そしてリーダーによる全体発表を行った。授業後の学生のレポート記述を質的データとし、KJ法を用いて分析した。
分析の結果、学生は、チームビルディングに関する具体的な知見を獲得し、自らのリーダーシップに対する課題を深く省察することができていた。
本研究で導入した多様性基盤型チームビルディングは、モデル・コア・カリキュラムが求める「自ら考える力」と「リーダーシップ」の学修を効果的に促進する実践的な教育手法であると評価できる。得られた知見と、これまでの文献的考察に基づき、医学部における、医療現場の多様な環境下で求められるリーダーシップ能力を系統的に育成するための、新たな教育カリキュラムの提案を行う。
