講演情報
[CC-3]審美・機能・清掃性の共立 −2ピースデンチャーという選択肢−
*白井 麻衣1、*野平 勇人2 (1. 鶴見大学歯学部口腔リハビリテーション補綴学講座、2. 西関東支部)
キーワード:
スウィングウェッジアタッチメント、2ピースデンチャー、支台歯の保護
上顎前歯部の欠損補綴は顔貌や口唇とのバランス,歯周組織の安定を含めた総合的な調和と高い審美性が求められる.固定性インプラント治療では,顎堤吸収に伴い大規模な組織の移植が必要となり,補綴的難易度の向上とともに患者負担も増大する. 部分床義歯では,既製人工歯やレジン床による色調再現の限界や金属製支台装置による審美不良を伴う. レジンクラスプを選択しても歯頸線不一致による審美不良,歯頸部の自浄性低下,着脱時支台歯への側方負荷といった懸念が生じる.
そこで今回,顎堤吸収を伴う上顎前歯部欠損に対し,スウィングウェッジアタッチメントを使用した2ピースデンチャーを選択した. 同装置の利点である支台歯の自浄性確保と側方力低減に加え,人工歯と義歯床のカスタマイズにより審美性を改善し,総合的調和を求めた症例について歯科医師と技工士の連携を交えて報告する.
設計・製作の要点は, 1)既製パーツの複製,トライインデンチャー製作・試適(アタッチメント回転軸の位置・維持力・審美性の確認),2)プレパレーションガイドを用いた前処置・フレームワーク製作と試適,3)前歯部メタルバッキング製作のためのFGP描記,4) 人工歯・歯肉部へのハイブリットレジン築盛・義歯完成である.
本装置は欠損側隣在歯のアンダーカットにウェッジが入りこみ維持力を発揮する.支台歯の側方負荷を抑え,歯頸部の自浄性を有するため,長期支台歯の安定が期待できる.これらの機能・清掃性に加え,技工士による形態・色調再現により得た審美が共立した新しい部分床義歯の選択肢として提案する.
そこで今回,顎堤吸収を伴う上顎前歯部欠損に対し,スウィングウェッジアタッチメントを使用した2ピースデンチャーを選択した. 同装置の利点である支台歯の自浄性確保と側方力低減に加え,人工歯と義歯床のカスタマイズにより審美性を改善し,総合的調和を求めた症例について歯科医師と技工士の連携を交えて報告する.
設計・製作の要点は, 1)既製パーツの複製,トライインデンチャー製作・試適(アタッチメント回転軸の位置・維持力・審美性の確認),2)プレパレーションガイドを用いた前処置・フレームワーク製作と試適,3)前歯部メタルバッキング製作のためのFGP描記,4) 人工歯・歯肉部へのハイブリットレジン築盛・義歯完成である.
本装置は欠損側隣在歯のアンダーカットにウェッジが入りこみ維持力を発揮する.支台歯の側方負荷を抑え,歯頸部の自浄性を有するため,長期支台歯の安定が期待できる.これらの機能・清掃性に加え,技工士による形態・色調再現により得た審美が共立した新しい部分床義歯の選択肢として提案する.