講演情報

[CPGC-3]CAD/CAMに関する診療ガイドライン

*大倉 一夫1 (1. 徳島大学大学院顎機能咬合再建学分野)
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キーワード:

CAD/CAM、ハイブリッドレジン、セラミック

歯科用CAD/CAM冠は2009年に先進医療として認められ、2014年から健康保険への導入が開始された。小臼歯に対するハイブリッドレジン冠応用から始まり、条件付きで大臼歯への適応拡大、積層構造による審美性の改善により前歯部への適応拡大がなされてきた。PEEK冠の使用によってすべての大臼歯への適応が実現した。保険による白い歯冠補綴装置の治療が進むとともに、現在ではすべての歯に適応が拡大され、歯科用金属アレルギーに対する有効な対処法の一つとなっている。審美意識の高まり、接着技法の進展や歯科用金属の高騰などの影響もあり補綴歯科治療への導入が急速に進んでいる。
補綴歯科治療の選択肢として導入が進む一方で、未だ科学的な指標に基づく診療ガイドラインの策定がなされていないのが現状である。このたび日本補綴歯科学会は、2014年と2020年に策定された「保険診療におけるCAD/CAM冠の診療指針2014」、「保険診療におけるCAD/CAM冠の診療指針 2020」に加えて、必ずしも保険診療にとらわれないCAD/CAMを応用した非金属歯冠補綴装置を対象とする「CAD/CAMに関する診療ガイドライン」について新たに検討を加えている。CAD/CAMを応用した補綴装置の使用によるリスクを最小限に抑えるための基準を設けることで、患者の健康と安全を確保することを目的としている。現在までに明らかになったことについて会員の先生方と情報共有を行い、明日からの診療・教育・研究の参考となることを期待している。