講演情報

[CPGC-4]咬合違和感症候群の診断と治療法に関する臨床指針

*玉置 勝司1 (1. 神奈川歯科大学)
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キーワード:

咬合違和感、診療フローチャート、心理-社会-思考的因子

本学会診療ガイドライン委員会では、咬合違和感症候群(Occlusal discomfort syndrome:ODS)に関する診療ガイドライン作成の小委員会(14名)を構成し、狭義検討してきた。その結果、ODSに関する“臨床指針”としてまとめることができたのでその概要について報告する。咬合違和感症候群(Occlusal discomfort syndrome:ODS)は、2013年に日本補綴歯科学会が提唱してから10年が経過する。しかし、現在も臨床の現場では、咬合違和感を主訴に来院した患者に対してエビデンスに基づかない咬合調整が行われることもあり、その結果、患者の症状の改善もなく、信頼関係が失われ、予期せぬ問題に進展してしまうことも少なくない。
そこで、今回、咬合違和感を有する患者に対する現時点での一定の診断と治療法の基本的規範の策定が急務であると考え臨床指針を作成した。この領域の研究は、いまだエビデンスが不足しているが、一般歯科臨床医が本臨床指針を理解することでODS患者の健康の維持・増進に寄与することができ、また、高度な補綴歯科治療を遂行する補綴歯科専門医にとって修得すべき重要な内容となっている。臨床医の皆様には、ご一読いただければ幸いである。