講演情報
[ES1-3]インプラント周囲組織の生体反応制御
- 免疫・骨代謝・ナノ材料が拓く新たな治療戦略-
*平田 恵理1 (1. 北海道大学大学院歯学研究院口腔機能学講座口腔機能補綴学教室)
キーワード:
マクロファージ、ナノ材料と免疫応答、基礎研究から臨床応用へ
カーボンナノ物質(CNMs)は,その特異的な物理化学的特性から,生体材料としての応用が期待されている.また,光応答性を活用した抗菌効果の制御や,表面修飾による免疫応答の調節など,多様な機能を付与することが可能である.発表者らはこれまでに,CNMsの一つであるカーボンナノホーン(CNHs)をキャリアとして用い,インプラント周囲炎治療に用いられる抗生剤との複合体を開発してきた.この複合体は,近赤外光照射下で優れた抗菌効果を示し,さらに薬効の持続性も確認されている.また,CNHsが担持されたチタン表面上でマクロファージがM2型に分極することや,CNHsを貪食したマクロファージが骨芽細胞の分化を促進する可能性を明らかにしてきた.さらに,酸化グラフェンやカーボンナノドットなど,新たなCNMsの開発も進めており,それぞれの物性を活かした機能の最適化を行っている.
本講演では,CNMsの物性制御による新たな治療アプローチの可能性について紹介する.特に,近赤外光応答性を活用した抗菌効果の増強や,マクロファージの分極制御を介した組織再生の促進など,基礎研究の成果とその臨床応用への展望について議論したい.また,CNMsの生体内での挙動解析や分解性の制御,さらには投与方法の最適化など,実用化に向けた課題についても述べる.
本講演では,CNMsの物性制御による新たな治療アプローチの可能性について紹介する.特に,近赤外光応答性を活用した抗菌効果の増強や,マクロファージの分極制御を介した組織再生の促進など,基礎研究の成果とその臨床応用への展望について議論したい.また,CNMsの生体内での挙動解析や分解性の制御,さらには投与方法の最適化など,実用化に向けた課題についても述べる.