講演情報

[P-6]FAT3Dプリント義歯と従来型義歯の比較に関する臨床研究 第1報 研究の概要

*玉置 勝司1、片岡 加奈子1、須藤 真行1、前畑 香1、生田 龍平1、中島 悠1、渡辺 宣孝1 (1. 西関東支部)
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【目的】
 従来型総義歯とフルアーチ連結型人工歯を使用した3Dプリント義歯1)(FAT3Dプリント義歯)との比較を行い,FAT3Dプリント義歯の臨床応用の可能性について検討するものである.本発表は、その研究内容の概要について報告する.
【方法】
 1.対象者は,一般歯科外来における上下無歯顎患者,日本人男女,意思の疎通が可能,研究の目的と意義および研究計画に同意するもの.
2.実施施設は診療室:5か所,技工所:1カ所.
3.研究デザインは,対象者はランダム割付し,“従来型総義歯を装着する対象者と“FAT3Dプリント義歯を装着する対象者に分けて比較する介入研究を計画した(図).
4.従来型総義歯の製作法は通法の総義歯製作法(加熱重合法)に準じた.
5.FAT3Dプリント義歯製作法は,1)咬合器付着した上下顎模型のスキャン,2) 義歯床の設計,3)人工歯埋め込み用ソケット付き総義歯床の3Dプリント,4)サポート材の切り離し,5) フルアーチ人工歯の固定,6)真空吸引処理,7)最終硬化処理,8) 完成,とした1).
6.全対象者をランダム割付により、従来型総義歯装着群(Conv.群)とFAT3Dプリント義歯装着群(3D.群)とし,その2群間で比較する項目、および期間を検討した.
【結果と考察】
(1)対象患者の性別と年齢全対象者数:17名(男性8名,女性9名)(2)対象患者の数(術前、新義歯装着時,3か月後、6か月後)比較する2群:Conv.群(8名:男性5名、女性:3名)と3D.群(9名:男性3名、女性:6名)(3)比較する項目アウトカムとして,①口腔機能検査(咀嚼能力、咬合力、咬合接触),②義歯納入日数(概形印象から装着日まで)、③新義歯装着後の義歯調整(回数、部位、時間)、④基本情報(BMI、MNA??,無歯顎症型分類,山本式総義歯咀嚼能率判定表),⑤術後アンケート(対象者、歯科医師,歯科技工士)とした.(4)比較する期間新義歯装着時,3か月後,6か月後とした.これらの結果から,従来型総義歯と比較し,FAT3Dプリント義歯の臨床応用の可能性について検討することにした.
【参考文献】
1)玉置勝司,生田龍平,渡辺宣孝ほか.フルアーチ連結型人工歯を用いた3Dプリント総義歯の6か月間の経過報告.日補綴会誌 2024;16(第133回特別号):211.