講演情報

[P-20]FAT 3Dプリント義歯と従来型義歯の比較に関する臨床研究 第3報 新義歯装着時の比較

*須藤 真行1、玉置 勝司1、片岡 加奈子1、前畑 香1、生田 龍平1、中島 悠1、渡辺 宣孝1 (1. 西関東支部)
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【目的】
従来型総義歯とフルアーチ連結型人工歯を使用した3Dプリント義歯1)(FAT3Dプリント義歯)との比較を行い,FAT3Dプリント義歯の臨床応用の可能性について検討するものである.本発表では,旧義歯と新製義歯(Conv群と3D群)装着時の比較,および2群間の装着時の比較について報告する.
【方法】
1.Conv.群(8名)の旧義歯と新義歯(従来型義歯)装着時の比較,および3D.群(9名)の旧義歯と新義歯(FAT3Dプリント義歯)装着時の比較を行う.
2.従来型義歯とFAT3Dプリント義歯装着時の2群間の比較を行う.比較する項目は,口腔機能検査(咀嚼能力:グルコセンサー??,GC,咬合力:デンタルプレスケールⅡ??,GC,咬合接触:バイトアイ??,GC)とした.
【結果と考察】
1.旧義歯と新義歯装着後(Conv.群(8名),3D.群(9名))の比較結果を図1に示す.2.Conv.群と3D.群の2群間の比較結果を図2に示す.上記の結果から,3D.群の新義歯は,旧義歯に比べ咬合接触数は有意に多く,咬合接触面積は有意に減少するが,咀嚼能力は高値を示し,フルアーチ連結型人工歯の有効性を確認することができた.また,新義歯の3D.群はConv.群に比べて,咀嚼能力と咬合接触面積は大きくなる傾向を示し,咬合接触数と咬合力は有意に高くなっていた.このことから,FAT3Dプリント義歯は装着直後(無調整)から,良好な咬合状態で,機能的にも極めて安定した状態であることが確認できた.
【参考文献】
1)玉置勝司,生田龍平,渡辺宣孝ほか.フルアーチ連結型人工歯を用いた3Dプリント総義歯の6か月間の経過報告.日補綴会誌 2024;16(第133回特別号):211.