講演情報
[P-40]支台築造用レジンのマトリックスレジンに対するレジンセメントの接着に関する研究
*渕田 亜沙子1、上之段 麻美1、村原 貞明1、杉本 恭子1、南 弘之1 (1. 鹿児島大学 大学院医歯学総合研究科 咬合機能補綴学分野)
【目的】
ファイバーコアを用いた間接法による支台築造が行われた場合に上部補綴装置の脱離がみられることがある.築造体を含むコンポジットレジンとの接着は無機フィラーへのシラン処理に依存した研究が多い.そこで本研究ではマトリックスレジンを接着の対象とすることでさらなる接着の向上を目的として,現状のマトリックスレジンとレジンセメントとの接着の状態を明らかにすることとした.
【方法】
ウレタン系ジメタクリレート(UDMA),トリエチレングリコール(TEGDMA),UDMAとTEGDMAを7:3で混合したもの(U7T3)の3種類のモノマーを光重合させ,円盤状の被着体とした.被着面は#2000の研磨紙で研磨後,超音波洗浄を行い,表面を乾燥させた.その後接着面積を規定するため穴の開いたマスキングテープを貼付した.スーパーボンドC&B(SB)とジーセム ONE(GC),パナビアV5(PV)の3種類のレジン系セメントのいずれかを用いて金銀パラジウム合金製のハンドルと被着体を接着し試験片とした.ジーセム ONE,パナビアV5においては接着時に仮照射を行い余剰セメント除去した後,本照射を行った.完成した試験片を室温保管した後,37℃の水中に24時間保管した.その後熱サイクル試験を10000回行い,万能試験機にてせん断接着強さを計測した.
【結果と考察】
SBで得られたせん断接着強さはU7T3,UDMAはTEGDMAと比較し有意に高い値を示した.GC,およびPVでは,モノマー間でせん断接着強さに有意差は見られなかった.またモノマー別にみてみると,U7T3,UDMAではいずれもSBがPV,GCと比較し有意に高いせん断接着強さを示した.TEGDMAではSBはPVと比較し有意に高いせん断接着強さを示したものの,GCとは有意差がみられなかった.いずれのモノマーにおいてもGCはPVと比較し有意に高いせん断接着強さを示した.
ファイバーコアを用いた間接法による支台築造が行われた場合に上部補綴装置の脱離がみられることがある.築造体を含むコンポジットレジンとの接着は無機フィラーへのシラン処理に依存した研究が多い.そこで本研究ではマトリックスレジンを接着の対象とすることでさらなる接着の向上を目的として,現状のマトリックスレジンとレジンセメントとの接着の状態を明らかにすることとした.
【方法】
ウレタン系ジメタクリレート(UDMA),トリエチレングリコール(TEGDMA),UDMAとTEGDMAを7:3で混合したもの(U7T3)の3種類のモノマーを光重合させ,円盤状の被着体とした.被着面は#2000の研磨紙で研磨後,超音波洗浄を行い,表面を乾燥させた.その後接着面積を規定するため穴の開いたマスキングテープを貼付した.スーパーボンドC&B(SB)とジーセム ONE(GC),パナビアV5(PV)の3種類のレジン系セメントのいずれかを用いて金銀パラジウム合金製のハンドルと被着体を接着し試験片とした.ジーセム ONE,パナビアV5においては接着時に仮照射を行い余剰セメント除去した後,本照射を行った.完成した試験片を室温保管した後,37℃の水中に24時間保管した.その後熱サイクル試験を10000回行い,万能試験機にてせん断接着強さを計測した.
【結果と考察】
SBで得られたせん断接着強さはU7T3,UDMAはTEGDMAと比較し有意に高い値を示した.GC,およびPVでは,モノマー間でせん断接着強さに有意差は見られなかった.またモノマー別にみてみると,U7T3,UDMAではいずれもSBがPV,GCと比較し有意に高いせん断接着強さを示した.TEGDMAではSBはPVと比較し有意に高いせん断接着強さを示したものの,GCとは有意差がみられなかった.いずれのモノマーにおいてもGCはPVと比較し有意に高いせん断接着強さを示した.