講演情報
[P-71]当院通院中の睡眠時無呼吸患者の歯列弓形態について
*猪子 芳美1、渥美 陽二郎2、井田 泉3 (1. 日本歯科大学新潟病院総合診療科、2. 日本歯科大学新潟病院訪問歯科口腔ケア科、3. 関越支部)
【目的】
不正咬合は，呼吸障害と密接に関係すると言われ，口呼吸から狭窄歯列となることが示されている１)．本研究の目的は，当院通院中の閉塞性睡眠時無呼吸（OSA）患者の歯列模型を分析し，狭窄歯列の有無を調べることである．
【方法】
対象者は，2023年に日本歯科大学新潟病院を受診し，口腔内装置治療を行った患者57名で，第3大臼歯以外に欠損歯がなく，模型の計測部位に破損を認めないものとした．BMI:30以上の肥満者は除いた．なお，本研究は日本歯科大学新潟生命歯学部倫理委員会の承認を得た後に行った（承認番号 ECNG-R-551）.
測定項目： 口腔内装置製作に用いた模型を用い，矯正用デジタルノギスを使用した．計測部位は，Howe２)の方法に従った．
歯列弓幅径（CAW）：上下顎左右第１小臼歯の頬側咬頭頂間の距離
歯列弓長径（CAI）：上下顎左右第１大臼歯遠心接触点を結ぶ線に，左右中切歯近心接触点から垂線を下した距離．なお，計測は1人の者が行い，CAWおよびCAIは３回の計測後，その平均値を算出した．OSAの重症度は，ポリソムノグラフィの結果から無呼吸低呼吸指数（AHI）を採用した．
【結果と考察】
結果は表１に示す．同一部位をOSA患者と健常者で計測したNakaakiら３）の値と比較した結果，当院患者は狭窄歯列の傾向が強いことが示された．．
【参考文献】
1) Yamada T, Tanne K，Miyamoto K et al. Influences of nasal respiratory obstruction on craniofacial growth in young Macaca fuscate monkeys. Am J Orthod Dentofacal Orthop 1997; 111: 38-43.
2）Howe AE. A polygon portrayal of coronal and basal arch dimension in the horizontal plane. Am J Orthod 1954; 40: 811-831.
3) Nakaaki T, Konda T & Shimahara M. Use of model analysis for study on jaw bone morphology in patients with obstructive sleep apnea syndrome. Bullention of the Osaka Medical College 2008; 54: 33-39.
不正咬合は，呼吸障害と密接に関係すると言われ，口呼吸から狭窄歯列となることが示されている１)．本研究の目的は，当院通院中の閉塞性睡眠時無呼吸（OSA）患者の歯列模型を分析し，狭窄歯列の有無を調べることである．
【方法】
対象者は，2023年に日本歯科大学新潟病院を受診し，口腔内装置治療を行った患者57名で，第3大臼歯以外に欠損歯がなく，模型の計測部位に破損を認めないものとした．BMI:30以上の肥満者は除いた．なお，本研究は日本歯科大学新潟生命歯学部倫理委員会の承認を得た後に行った（承認番号 ECNG-R-551）.
測定項目： 口腔内装置製作に用いた模型を用い，矯正用デジタルノギスを使用した．計測部位は，Howe２)の方法に従った．
歯列弓幅径（CAW）：上下顎左右第１小臼歯の頬側咬頭頂間の距離
歯列弓長径（CAI）：上下顎左右第１大臼歯遠心接触点を結ぶ線に，左右中切歯近心接触点から垂線を下した距離．なお，計測は1人の者が行い，CAWおよびCAIは３回の計測後，その平均値を算出した．OSAの重症度は，ポリソムノグラフィの結果から無呼吸低呼吸指数（AHI）を採用した．
【結果と考察】
結果は表１に示す．同一部位をOSA患者と健常者で計測したNakaakiら３）の値と比較した結果，当院患者は狭窄歯列の傾向が強いことが示された．．
【参考文献】
1) Yamada T, Tanne K，Miyamoto K et al. Influences of nasal respiratory obstruction on craniofacial growth in young Macaca fuscate monkeys. Am J Orthod Dentofacal Orthop 1997; 111: 38-43.
2）Howe AE. A polygon portrayal of coronal and basal arch dimension in the horizontal plane. Am J Orthod 1954; 40: 811-831.
3) Nakaaki T, Konda T & Shimahara M. Use of model analysis for study on jaw bone morphology in patients with obstructive sleep apnea syndrome. Bullention of the Osaka Medical College 2008; 54: 33-39.
