講演情報
[P-98]オーラルリハビリテーションのプログラム内容が運動野の神経可塑性変化へ及ぼす影響
*石井 優貴1、飯田 崇1、江橋 葵1、小黒 裕之1、榊 実加2、岩崎 正敏1、岩田 好弘1、小見山 道1 (1. 日本大学松戸歯学部 クラウンブリッジ補綴学講座、2. 日本大学松戸歯学部 解剖学講座)
【目的】
口腔機能低下の早期予防はフレイル予防や生活の質の向上に重要である.これまでに多くのオーラルリハビリテーション(OR)が提唱され,将来的にはオーダーメイド形式のORプログラムが必要になると考えられる.過去の研究よりORの効果は末梢と比較して中枢で早期に発現することが報告されており,ORのプログラム内容を客観的に評価するために中枢の検討を行うことは有用と考えられる.本研究は,ORのプログラム内容が下顎運動に関与する運動野に生じる神経可塑性変化へ及ぼす影響を検討した.
【方法】
顎口腔領域に異常を認めない成人20名はそれぞれ5日間連続で構成される単一トレーニング(ST),複合トレーニング(CT)の2種類のトレーニングに参加した.STは視覚, 聴覚フィードバックありで2種類の強度が定量化されたバイトデバイス(BD)1)を固定された順序で使用し,CTは両フィードバックなしで2種類のBDをランダムに使用した.各トレーニングの1日日,5日日のトレーニング前後にTMS(Transcranial Magnetic Stimulation)を用いて咬筋およびFDI(First dorsal interosseous muscle)よりMEP(Motor Evoked Potential)の測定を行った.また,各トレーニング後の疲労度を聴取した.
【結果と考察】
CTにおける1日目のトレーニング後,5日目のトレーニング前後における咬筋MEP振幅は1日目のトレーニング前と比較して有意な増加を認めた(P < 0.001)(図).STにおける5日目のトレーニング前後における咬筋MEP振幅は1日目のトレーニング前と比較して有意な増加を認めた(P < 0.001)(図1).各トレーニング後の疲労度は,トレーニング前と比較して有意差を認めなかった(図2).以上より,複雑化されたORプログラムは口腔機能の早期回復に寄与する可能性が示唆された.
【参考文献】
1) Ishii Y, Iida T, Honda-Sakaki M et al. Comparison of masticatory muscle activity between young adults and elderly participants using a novel standardized bite device. J Dent 2024;143:104887.
口腔機能低下の早期予防はフレイル予防や生活の質の向上に重要である.これまでに多くのオーラルリハビリテーション(OR)が提唱され,将来的にはオーダーメイド形式のORプログラムが必要になると考えられる.過去の研究よりORの効果は末梢と比較して中枢で早期に発現することが報告されており,ORのプログラム内容を客観的に評価するために中枢の検討を行うことは有用と考えられる.本研究は,ORのプログラム内容が下顎運動に関与する運動野に生じる神経可塑性変化へ及ぼす影響を検討した.
【方法】
顎口腔領域に異常を認めない成人20名はそれぞれ5日間連続で構成される単一トレーニング(ST),複合トレーニング(CT)の2種類のトレーニングに参加した.STは視覚, 聴覚フィードバックありで2種類の強度が定量化されたバイトデバイス(BD)1)を固定された順序で使用し,CTは両フィードバックなしで2種類のBDをランダムに使用した.各トレーニングの1日日,5日日のトレーニング前後にTMS(Transcranial Magnetic Stimulation)を用いて咬筋およびFDI(First dorsal interosseous muscle)よりMEP(Motor Evoked Potential)の測定を行った.また,各トレーニング後の疲労度を聴取した.
【結果と考察】
CTにおける1日目のトレーニング後,5日目のトレーニング前後における咬筋MEP振幅は1日目のトレーニング前と比較して有意な増加を認めた(P < 0.001)(図).STにおける5日目のトレーニング前後における咬筋MEP振幅は1日目のトレーニング前と比較して有意な増加を認めた(P < 0.001)(図1).各トレーニング後の疲労度は,トレーニング前と比較して有意差を認めなかった(図2).以上より,複雑化されたORプログラムは口腔機能の早期回復に寄与する可能性が示唆された.
【参考文献】
1) Ishii Y, Iida T, Honda-Sakaki M et al. Comparison of masticatory muscle activity between young adults and elderly participants using a novel standardized bite device. J Dent 2024;143:104887.