講演情報
[SSY-3](超)高齢者におけるインプラントを用いた無歯顎補綴臨床
*中居 伸行1 (1. 関西支部 / 長崎大学)
キーワード:
インプラント補綴、無歯顎、高齢者
無歯顎補綴の治療法には従来型全部床義歯の他に、可撤性インプラント義歯すなわちインプラントオーバーデンチャーと固定性インプラント義歯があげられる。上下それぞれにそれらいずれかの補綴装置を配すると想定し、片顎だけ無歯顎という条件も加えると、その上下の組み合わせは24通りに及ぶ。しかしながら、その組み合わせの種類について、またどういった患者にどの組み合わせを適用するかについては未だ一定の基準はない。現在、本邦ではいわゆる超高齢者と呼ばれる85歳の1/3以上は少なくとも片顎が無歯顎であり、その平均余命は7年前後であることも知られている。したがって、健康な85歳はさらに長い余命を持つものと推察される。さらには近年、種々の調査より高齢者に対するインプラント治療の結果は、若年者に比較しても決して悪くないこと明らかになってきている。したがって、われわれは高齢者に対して,こうした事実も念頭に置き治療戦略を立てる必要があると思われる。本シンポジウムでは、高齢の無歯顎患者に対して従来型全部床義歯以外にインプラントを用いた補綴戦略、すなわちオーバーデンチャー(2-IOD, 4-IOD)や固定性インプラント義歯(いわゆるAll-on 4, All-on 6)を適用した症例を経過観察とともに各種供覧し、その妥当性および限界を検討したいと思う。