講演情報
[SY10-座長][座長抄録] IRPDーインプラントの併用は部分床義歯治療のゲームチェンジャーになるのか?ー
*大久保 力廣1、*兒玉 直紀2 (1. 鶴見大学歯学部口腔リハビリテーション補綴学講座、2. 岡山大学病院 歯科(補綴歯科部門))
キーワード:
IRPD、義歯の難症例、回転変位の制御
令和4年歯科疾患実態調査によると,部分床義歯装着者は全部床義歯装着者と比較して全年齢階級で多く,特に80歳以上において部分床義歯装着者の割合は最も高かった.日本は未曾有の超高齢社会に突入しており,高齢者の補綴歯科治療に従事する者として,これは注目すべき結果であると言える.
部分床義歯を用いた欠損補綴治療を成功させるために,いかに回転変位を制御するかが重要視されてきた.つまり,異なる被圧変位性を有する支台歯と欠損部顎堤がそれぞれ支持を担い,また対合との咬合関係により生じる義歯の回転変位を抑制するために様々な設計の工夫がなされてきた.しかし,すれ違い咬合やコンビネーションシンドロームなどの義歯の難症例においては,設計の工夫を凝らしても義歯の挙動を制御することは困難であった.そこで近年,インプラントを併用した部分床義歯(以下,IRPD)が欠損補綴治療の一オプションとして用いられるようになった.インプラントを併用することで通常の部分床義歯では獲得しえないような強力な支持を得ることが可能となり,回転変位の制御に対する効果を発揮することがわかってきた.しかし,IRPD治療の歴史は浅く,未だ不明な点が多い.
そこで本シンポジウムでは,IRPDを用いた補綴歯科治療に精通する3名の先生をお迎えし,IRPDに関する最新エビデンスを整理し,IRPDの臨床応用についてご解説頂いた後,「インプラントの併用は部分床義歯治療のゲームチェンジャーになり得るのか?」について会員の皆様と議論を交わしたい.
部分床義歯を用いた欠損補綴治療を成功させるために,いかに回転変位を制御するかが重要視されてきた.つまり,異なる被圧変位性を有する支台歯と欠損部顎堤がそれぞれ支持を担い,また対合との咬合関係により生じる義歯の回転変位を抑制するために様々な設計の工夫がなされてきた.しかし,すれ違い咬合やコンビネーションシンドロームなどの義歯の難症例においては,設計の工夫を凝らしても義歯の挙動を制御することは困難であった.そこで近年,インプラントを併用した部分床義歯(以下,IRPD)が欠損補綴治療の一オプションとして用いられるようになった.インプラントを併用することで通常の部分床義歯では獲得しえないような強力な支持を得ることが可能となり,回転変位の制御に対する効果を発揮することがわかってきた.しかし,IRPD治療の歴史は浅く,未だ不明な点が多い.
そこで本シンポジウムでは,IRPDを用いた補綴歯科治療に精通する3名の先生をお迎えし,IRPDに関する最新エビデンスを整理し,IRPDの臨床応用についてご解説頂いた後,「インプラントの併用は部分床義歯治療のゲームチェンジャーになり得るのか?」について会員の皆様と議論を交わしたい.