講演情報

[SY5-1]長期的な視点での審美修復の検証

*日高 豊彦1 (1. 西関東支部)
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キーワード:

Abfraction、Infra occlusion、Craniofacial growth

現代の審美的歯冠修復治療の基準は, 生物学的幅径を考慮した修復物形成限界(restorative margin)の設定, 修復物の豊隆(restorative contour), 歯根側弧形空隙を軟組織で閉鎖するハーフポンティック(half pontic)などであろう.これらの基準を明確にするために1990年代に多くの報告がなされ, 整理されてきたように思う. 2000年代に入ると整理されたこれらの基準が広く応用され、その良好な治療結果が報告されるようになり, 我々もそれらの基準に従った歯冠修復治療を行い患者の満足を得られる事を実感した. 20年以上が経過したこれらの治療結果の多くは幸いな事に修復時より変化が見られない. しかしながら, 修復時より変化する症例も存在し, 歯肉縁下に形成限界を設定した修復物とラミネートベニアの様に歯肉縁上に形成限界を設定した修復物での経過の違いも実感している.それらの共通性を検証すると噛み締めや歯ぎしりなど(parafunction)に起因するアブフラクション(abfraction)と後期顎顔面成長(craniofacial growth)によるインフラオクルージョン(infra occlusion)の2点が原因として最も多いのではないかと我々は考えている. 以上の事を臨床例を供覧し、参加される方々と討議したいと考えている.