講演情報

[SY6-2]超高齢者社会における家族との関わり

*齊藤 秋人1 (1. 医療法人社団 優歯人会 斉藤歯科医院)
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キーワード:

かかりつけ歯科医、家族との関わり、円滑な引き継ぎ

総務省の2023年統計データによると、日本の80歳以上の人口は約1400万人に達し、国民の約10人に1人が80歳以上となっている。特に、8020運動の達成率が50%以上に達した現在、歯科臨床の現場においても、元気な80歳代の患者が来院することは珍しくない。一方、日本老年医学会(2017年)では、90歳以上を「超高齢者」と定義しており、この年代になると、一人での通院が困難になるケースが増える。介助者が同伴することが一般的となり、あるいは体調の変化によって訪問診療を希望する患者も少なくない。また、診療時に患者本人と直接意思疎通する機会が減り、家族や介護者と対応する場面が多くなる。さらに、超高齢者の患者は、遠方の施設に入居したり、家族の地元へ転居することで、かかりつけ歯科医が担当できなくなるケースも増加すると考えられる。そのため、患者が通院できる間に、今後の食生活の不自由を防ぎ、新たな担当医や医療スタッフへ円滑に引き継ぐための準備が求められる。本発表では、具体的な症例を通じて、かかりつけ歯科医としてどのような対応が可能かを考察し、超高齢者とその家族との関わり方について検討する。