講演情報

[SY8-3]回復期からリハビリテーション・栄養・口腔 三位一体の連携をすべてのステージへ

*嶋津 小百合1 (1. 熊本リハビリテーション病院)
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キーワード:

リハビリテーション、栄養サポート、口腔アセスメント

回復期 リハビリテーション病棟(以下、回リハ病棟)は、急性期治療後、社会および在宅復帰を目標に元の状態へ近づけるため多職種にて専門的かつ積極的な介入を行う病棟である。今回の診療報酬改定において新設されたリハ・栄養・口腔連携体制加算は、急性期医療におけるADL低下予防とリハ・栄養・口腔の連携の早期推進を図る重要性が示されている。この新設点数に至る経緯としては 、回リハ病棟におけるエビデンスも貢献している。回リハ病棟の入院高齢者は、サルコペニア=筋肉筋力の減少、口腔機能障害、栄養障害といずれもハイリスクである。また、入院患者の約8割に何らかの口腔機能障害を認め、患者の口腔問題はADL,認知レベル、栄養状態と関連している。しかし、歯科専門職種が介入することで口腔状態、咀嚼嚥下、栄養状態の改善が見られている。多職種で口腔機能や嚥下機能に応じた食形態や食事の修正を行うことで嚥下機能やADLの改善にもつながる。いずれも当院からのエビデンスである。実際の臨床現場での歯科衛生士と管理栄養士の介入は入院時からはじまり、患者と面会して入手した専門職からの情報を伝えあう。この流れは極自然にはじまっており、食事を美味しく食べるための口腔衛生状態と食事を安全に食べるための食事形態を決める最強タッグで患者を迎えている。本学会では、歯科と栄養のコラボレーションの実際や回リハ病棟管理栄養士の視点からリハ・栄養・口腔 三位一体の連携の重要性を紹介する。