講演情報
[P-90]骨抽出物中のTGF-βと非コラーゲン性タンパク質の相互作用
*郡 啓介1,2、白井 麻衣1、大久保 力廣1 (1. 鶴見大学歯学部口腔リハビリテーション補綴学講座、2. 鶴見大学歯学部分子生化学講座)
【目的】
抜歯後の歯槽骨吸収はインプラント治療の大きな臨床課題であり,様々な骨造成術が用いられている.骨再生の促進に成長因子は重要な要素であり,効果的な成長因子の臨床応用が望まれている.先行研究により,ラット大腿骨由来の脱灰骨シートが骨再生を促進し,その効果に骨由来タンパク質の関与が示唆されている.本研究では,骨基質に存在し,骨造成に関与する生理活性物質と相互作用する非コラーゲン性タンパク質(NCP)を同定することを目的とした.
【方法】
6週齢SDラットの大腿骨より骨粉を調製し,塩酸グアニジン(G1画分),塩酸・ギ酸(H画分),再度塩酸グアニジン(G2画分)による連続抽出を行った.H画分は低圧イオン交換クロマトグラフィー(IEX)により4画分(IE-a~IE-d)に分離した.各画分のトランスフォーミング成長因子β(TGF-β)様活性は,ヒト歯根膜細胞を用いたアルカリホスファターゼ(ALP)活性測定により評価した.電気泳動後,Stains-All(SA)染色陽性の主要NCPバンドについて質量分析を行った.またIE-d画分について,PAI1プロモーターを用いたDual-Luciferase Reporter (DLR)アッセイを実施し,TGF-β活性を検証した.加えて,IE-d画分をイオン交換高速液体クロマトグラフィー (IE-HPLC)により分画し,酵素結合免疫吸着測定法 (ELISA)によりTGF-β1およびオステオポンチン(OPN)を検出した.さらに,異種抗体サンドイッチELISAによりOPN-TGF-β1結合能を評価した.
【結果と考察】
ALP活性測定により,G1,H,G2のすべての画分にTGF-β様活性が認められた.SA染色により酸性NCPを豊富に含むH画分に着目したところ,60 kDaおよび64 kDaの主要NCPは,質量分析によりOPNと同定された.IEXにより,OPNはIE-d画分に分離され,ALP活性測定およびDLRアッセイから同画分にTGF-βの存在が示唆された.さらにIE-HPLCにより60 kDaおよび64 kDa のOPNが分離され,異種抗体サンドイッチELISAの結果,両OPNはいずれもTGF-β1と結合した複合体を形成していることが明らかとなった.以上より,骨基質中においてOPNがTGF-β1と複合体を形成し,骨造成に関与する可能性が示唆された.
抜歯後の歯槽骨吸収はインプラント治療の大きな臨床課題であり,様々な骨造成術が用いられている.骨再生の促進に成長因子は重要な要素であり,効果的な成長因子の臨床応用が望まれている.先行研究により,ラット大腿骨由来の脱灰骨シートが骨再生を促進し,その効果に骨由来タンパク質の関与が示唆されている.本研究では,骨基質に存在し,骨造成に関与する生理活性物質と相互作用する非コラーゲン性タンパク質(NCP)を同定することを目的とした.
【方法】
6週齢SDラットの大腿骨より骨粉を調製し,塩酸グアニジン(G1画分),塩酸・ギ酸(H画分),再度塩酸グアニジン(G2画分)による連続抽出を行った.H画分は低圧イオン交換クロマトグラフィー(IEX)により4画分(IE-a~IE-d)に分離した.各画分のトランスフォーミング成長因子β(TGF-β)様活性は,ヒト歯根膜細胞を用いたアルカリホスファターゼ(ALP)活性測定により評価した.電気泳動後,Stains-All(SA)染色陽性の主要NCPバンドについて質量分析を行った.またIE-d画分について,PAI1プロモーターを用いたDual-Luciferase Reporter (DLR)アッセイを実施し,TGF-β活性を検証した.加えて,IE-d画分をイオン交換高速液体クロマトグラフィー (IE-HPLC)により分画し,酵素結合免疫吸着測定法 (ELISA)によりTGF-β1およびオステオポンチン(OPN)を検出した.さらに,異種抗体サンドイッチELISAによりOPN-TGF-β1結合能を評価した.
【結果と考察】
ALP活性測定により,G1,H,G2のすべての画分にTGF-β様活性が認められた.SA染色により酸性NCPを豊富に含むH画分に着目したところ,60 kDaおよび64 kDaの主要NCPは,質量分析によりOPNと同定された.IEXにより,OPNはIE-d画分に分離され,ALP活性測定およびDLRアッセイから同画分にTGF-βの存在が示唆された.さらにIE-HPLCにより60 kDaおよび64 kDa のOPNが分離され,異種抗体サンドイッチELISAの結果,両OPNはいずれもTGF-β1と結合した複合体を形成していることが明らかとなった.以上より,骨基質中においてOPNがTGF-β1と複合体を形成し,骨造成に関与する可能性が示唆された.
