講演情報

[PSY-座長][コーディネーター抄録] 脳と摂食嚥下のクロストーク ~健康長寿社会実現に向けた未来への道標~

*江草 宏1、*馬場 一美2、*松山 美和3 (1. 東北大学大学院歯学研究科 分子・再生歯科補綴学分野、2. 昭和医科大学歯科補綴学講座教授、3. 徳島大学大学院医歯薬学研究部口腔機能管理学分野)
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キーワード:

脳、摂食嚥下、健康長寿

適切な口腔健康管理は、生活習慣病や認知機能障害等の予防に寄与し、全人的な健康を支える基盤として、健康長寿社会実現の鍵を握る。近年、口腔と全身の密接な関連が示唆される一方で、高次複雑系である生体において、その連関を科学的エビデンスに基づき解明し、制御することは依然として大きな挑戦である。
 日本学術会議では、2020年の提言(マスタープラン2020)において、歯学委員会より「口腔と全身のクロストーク」および「脳と摂食嚥下のクロストーク」という2つの戦略プロジェクトを提示した。前者は、う蝕・歯周病などの口腔疾患と心血管障害、糖尿病、誤嚥性肺炎等との関連について多くの知見を積み上げ、医科歯科連携の定着に大きく貢献してきた。一方、後者の「脳と摂食嚥下のクロストーク」についても、オーラルフレイルや口腔機能低下と、心身フレイル、認知症等との関連解明が着実に進展している。しかし、口腔機能の精密な評価技術の確立や、超高齢社会における臨床研究の困難さといった課題も多く、脳と摂食嚥下の関連メカニズム(クロストーク)の全容解明は、いまだ途上に残されている。
 そこで、本シンポジウムでは、日本補綴歯科学会と日本学術会議が共催し、脳と摂食嚥下の基礎・臨床の最前線で活躍する研究者を招聘した。演者の笛木賢治先生、後藤多津子先生、池田学先生に最新の知見をご提示いただくとともに、総合討論では座長の馬場一美先生、松山美和先生、森山啓司先生の進行のもと、健康長寿社会の実現に向けた道標となる方策について議論を深めたい。