講演情報

[SS-1]補綴歯科治療における咬合(下顎位)の基本的な考え方と臨床的意義

*古谷野 潔1 (1. 九州大学)
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キーワード:

咬合の4つの区分、咬合治療の3つの目標、中心位の定義と意義

咬合の重要な要素として下顎位,咬合高径,咬合様式,咬合接触,咬合平面などがあり,それぞれについて理想とされる基準が示されている.従来の咬合理論では,咬合要素がそれらの基準を満たしていないと病的(要治療)と判断される.しかし,既定の基準を満たしていなくても,顎口腔系に問題なく過ごしていて,特に治療が必要とは考えられないヒトはたくさん存在する.そこで,咬合については正常と異常あるいは理想的と病的の2つに分けるのではなく,1.理論的理想咬合 2.生理的咬合 3.非生理的咬合 4.治療的咬合の4つに区別して考えることが提案されている.補綴歯科治療にあたっては,まず患者の咬合が上記の4つのどれに当たるかを判断する.その上で咬合治療を行う場合には,咬合に関する治療の目標を,1.咬合を維持する 2.咬合を修正する 3.咬合を再構成する の3つに仕分けし,どの目標を選択するかを明確にした上で臨む必要がある.いずれにしろ咬合治療は,歯の喪失,組織の障害,機能障害,さらには患者の希望や満足度など,患者のニーズに合わせて行うべきであって,患者の口腔内状態を術者の信じる理論(理論的形態)に合わせるために行うべきではない.講演では、上記の区分と判断について解説する。また,下顎位を決定する3つの要素を提示し,下顎位を決定する際に重要となる中心位の定義と概念,そして臨床的意義について考察する.さらに中心位の決定法についても議論したい.