講演情報
[SY11-2]臼歯部における咬頭被覆とオクルーザルベニアの臨床応用
*木林 博之1,2 (1. 関西支部、2. 大阪大学歯学部大学院歯学研究科 再生歯科補綴学講座)
キーワード:
臼歯部補綴修復、オクルーザルベニア、咬頭被覆
Tooth wear をはじめとする全顎的修復治療において、臼歯部歯冠修復は咬合の安定および長期予後を左右する重要な要素である。う蝕罹患率の低下や高齢化により天然歯を長期に温存する症例が増加し、咬耗、酸蝕、咬合過負荷などに起因する歯質欠損や形態崩壊への対応が、日常臨床において求められている。また、審美性や低侵襲性に対する要求の高まりに加え、接着性材料の改良や CAD/CAM 技術の普及を背景として、最小侵襲で機能および形態の回復を図る修復様式が注目されている。さらに、パラファンクションを含む有害因子を有する症例では、修復物の強度や破折抵抗を考慮した上で、臼歯部の咬合支持を温存・再建する戦略の重要性が一層高まっている。このような背景のもと、従来の全部被覆冠に代わる歯質保存性の高い補綴選択肢が求められており、その適用は今後さらに拡大すると考えられる。歯質削除量を抑えた修復法としてオクルーザルベニアが臨床応用されているが、その臨床的成功には、確実な接着操作を前提としたうえで、咬頭被覆を含めた適切な修復設計が重要である。臼歯部における咬頭被覆は、咬合力の集中を回避し、修復物および歯質の破折リスクを低減する上で重要な役割を担う。本講演では、臼歯部修復における咬頭被覆の考え方を整理し、オクルーザルベニアの適応、設計ならびに臨床上の留意点について、文献的考察と症例を交えて解説する。
