講演情報

[SY13-1]咬合干渉部位と咀嚼運­­­­動時の下顎頭運動からみた咬合の安定

*平場 勝成1 (1. 愛知学院大学 名誉教授)
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キーワード:

咀嚼運動、咬合干渉、支持三角形

咬合干渉や遊離端欠損歯列が咀嚼運動時の咬合の安定に及ぼす影響を、咀嚼様運動を大脳電気刺激で誘発できるウサギを用いて、下顎頭運動を高速ビデオ画像記録して検討した。最後臼歯(ヒト8番相当)での干渉では、平衡側・作業側いずれの場合も干渉側下顎頭は咬合相に限局した一過性の後下方への異常運動を示し、関節結節から離れて関節空隙が拡大した。一方、遊離端欠損歯列(ヒト6~8番欠損に相当)では、関節結節を削除することで作業側下顎頭が咬合相に限局した前上方への一過性の突出運動を示し、その大きさは正常時の約2倍であった。これらの下顎頭運動を、両側下顎頭と干渉部(支持部)から成る支持三角形と、閉口筋力ベクトルの位置関係から考察した。筋力ベクトルが三角形内にあれば咬合は安定するが、外へ逸脱すると下顎骨は不安定化し転覆が生じ、干渉とは反対側の下顎頭と干渉点を結ぶ線を軸とした下顎骨の回転が起こり、干渉側下顎頭の後下方運動として現れると推察した。さらに、①咬合支持の最後臼歯への移動、②平衡側・作業側の筋活動バランス破綻が同時に生じる時、異常運動のリスクは最も高まると考えられ、平衡側最後臼歯の干渉がこの条件を満たしていた。また遊離端欠損では、平衡側下顎頭と作業側小臼歯部を結ぶ線を軸とする回転が生じ、作業側下顎頭は前上方へ動こうとするが関節結節に阻まれ強い過重負担が生じると考えた。関節結節削除後に観察された運動方向と大きさは、遊離端欠損歯列では関節部荷重が増大するのではないかと言う従来の予測を裏付けるものであった。