講演情報
[SY13-3]機能的観点から咬合異常を整理する
*山口 泰彦1 (1. 北海道大学名誉教授)
キーワード:
動的咬合異常、臼歯部低位咬合、顎位変化
安定した咬合を考える手順として,まず顎機能障害を引き起こす咬合状態を理解する必要がある.代表的な顎機能障害である顎関節症については,1990年代に咬合異常との関連の疫学研究がいくつか行われ,主に形態的(静的)な咬合異常を対象に調査された.そこでは,前歯部開咬,クロスバイト,臼歯欠損歯数など一部で有意な関連性が認められていたが,関連の程度は小さかったことなどから,総体的には咬合の関与に否定的な結論とされ,当時の咬合因子偏重による過剰な咬合治療に対し警鐘が鳴らされた.論文の表現は「咬合因子主体では説明できない」など,完全否定ではなかったにも関わらず,結局,二者択一的に咬合の関与を否定する論調が広まり,現在に至っている.
一方で,顎関節症(顎関節や筋の異常)により,二次的な咬合異常として咬合接触の不均衡化が起こることが示され,いずれも下顎位の変化を伴うものであることが分かっている.この点を,逆方向にも当てはめると,咬合が生体(顎関節・咀嚼筋)へ及ぼす影響においても顎位変化を生じる動的な咬合異常に注目すべきであることが分かる.ところが,過去の疫学研究では,前後的不均衡(臼歯部低位咬合[臼歯部非接触]),左右的不均衡(片側の低位咬合),早期接触などの顎位変化を引き起こすような咬合異常は調べられてこなかった.
講演では,過去の疫学研究で対象とされてきた咬合異常の検証や臨床例での咬合状態を通して,静的/動的咬合異常の違いなど,機能的観点から咬合異常を整理し,そこから,安定した咬合とは何か考える.
一方で,顎関節症(顎関節や筋の異常)により,二次的な咬合異常として咬合接触の不均衡化が起こることが示され,いずれも下顎位の変化を伴うものであることが分かっている.この点を,逆方向にも当てはめると,咬合が生体(顎関節・咀嚼筋)へ及ぼす影響においても顎位変化を生じる動的な咬合異常に注目すべきであることが分かる.ところが,過去の疫学研究では,前後的不均衡(臼歯部低位咬合[臼歯部非接触]),左右的不均衡(片側の低位咬合),早期接触などの顎位変化を引き起こすような咬合異常は調べられてこなかった.
講演では,過去の疫学研究で対象とされてきた咬合異常の検証や臨床例での咬合状態を通して,静的/動的咬合異常の違いなど,機能的観点から咬合異常を整理し,そこから,安定した咬合とは何か考える.
