講演情報

[SY14-2]口腔リハビリテーションがもたらす機能改善の神経・運動学的メカニズムを探る

*真柄 仁1、島田 明子2、井上 誠1,3 (1. 新潟大学 医歯学総合病院 摂食嚥下機能回復部、2. 大阪歯科大学 医療保健学部 口腔保健学科、3. 新潟大学医歯学総合研究科 摂食嚥下リハビリテーション学分野)
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キーワード:

経頭蓋磁気刺激、筋電図、口腔リハビリテーション

口腔機能低下症の評価および診断に関する臨床は広まりつつあるが,診断後の対応については,未だ十分に整備されていない.その背景には,従来の歯科医学が蓄積してきた歯列の形態回復や咬合再建に関しては一定の理解が得られている一方で,舌や口唇を含む顎口腔機能の評価および治療的アプローチについては,十分な科学的根拠に基づいていないという現状があると思われる.
嚥下機能が低下した患者においては,嚥下される食塊が嚥下に適した物性を有している必要があり,そのためには,食物を適切に咀嚼し,食塊を形成するための口腔の感覚運動機能が不可欠である.口腔感覚は嚥下の閾値や運動パターンを変化させ,嚥下誘発に影響を及ぼすことが知られているが,口腔感覚運動機能と嚥下機能との機能的連関については,十分な理解には至っていない.
経頭蓋磁気刺激(TMS)は,大脳皮質の特定領域を非侵襲的に刺激することが可能な手法であり,脳活動を主として血行動態反応として間接的に捉えるfMRIや近赤外分光法(NIRS)と比較して,皮質活動性の変化を運動誘発電位(MEP)として直接評価できるという利点を有する.本講演の前段では,若年者と高齢者における舌トレーニングによって誘導される皮質活動性の変化の差異,さらに舌トレーニングの強度の影響について解説する.後段では,口腔感覚刺激および口腔運動条件を変化させた際に認められる,嚥下関連感覚運動皮質の興奮性変化に関する研究を紹介し,口腔リハビリテーションがもたらす機能改善の神経・運動学的メカニズムについて考察する.