講演情報

[SY5-2]補綴前処置としての歯周治療の果たすべき役割

*菊池 毅1 (1. 朝日大学歯学部 口腔感染医療学講座 歯周病学分野)
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キーワード:

歯周補綴、歯周組織再生療法、歯周形成手術

補綴治療の成功と長期的維持には、安定した歯周組織の存在が不可欠である。一方、適切な歯周補綴治療は、重度歯周炎罹患患者の管理にとって欠かすことのできない治療である。この相補的関係は短期的には見過ごされがちだが、長期的に良好な経過をたどっている臨床症例を検討するにつれ、その重要性が再認識される。バイオフィルム形成が極めて容易な口腔内環境において、患歯のプラークコントロールおよび咬合性外傷のコントロールを恒常的に行いうる歯周組織環境の整備に努めることが、補綴前処置としての歯周治療の意義となる。歯周治療と一口に言っても、その目的は、炎症や咬合性外傷の制御、歯周組織再生、さらには歯周形成手術を応用した歯周環境の整備など多岐にわたる。本講演では、①嫌気性菌の温床となる歯周ポケットを閉鎖し、必要あれば歯周-矯正治療を可能とするための歯周基本治療、②管理しやすい歯肉ラインを形成するための歯周組織再生療法、③適切な骨縁上組織付着(旧:生物学的幅径)を回復するための骨切除療法、④ブラッシングの容易な補綴装置周囲の角化粘膜(咀嚼粘膜)を形成するための歯周形成手術、の4つを例に挙げ、口腔機能の回復へと導く補綴治療成功への道筋を考察する。”Longevity”を達成するためには、予知性の高い包括的な治療の実践が不可欠であり、耐久性のある歯周組織は、その達成に欠かすことのできない重要なピースである。