講演情報
[SY9-2]3次元プリント有床義歯の臨床的エビデンス
*新保 秀仁1 (1. 鶴見大学歯学部口腔リハビリテーション補綴学講座)
キーワード:
3D printing、全部床義歯、臨床エビデンス
CAD/CAMを応用した補綴装置の製作が一般臨床にも普及しており,補綴装置の均質性,耐久性だけでなく,情報の保存や伝達,製作期間の短縮など多くの利点が確認されている.有床義歯分野においてもCAD/CAM技術を応用した全部床義歯の製作システムがすでに実用化され,本邦でも3次元プリント有床義歯として保険収載された.これまでCAD/CAM全部床義歯の製作方法は高い精度や強度を有することから主としてミリング法が利用され,臨床的な検証においても高い評価を得ていた.しかし,レジンディスクを用いる利点がある反面,多様な全部床義歯形状を全て造形することは困難であった.一方,3Dプリントは造形形状の制限が少ないだけでなく,材料の無駄を最小限にできるサステナブルな方法であるため,全部床義歯製作にはより有用であると考えられる.しかし,3Dプリントに使用される光硬化型PMMAレジンは,これまでの義歯床に使用されてきた粉液タイプPMMAレジンとは異なる性質であり,材料学的特性などに関するエビデンスが少ないだけでなく,世界的にも臨床評価に関する報告は依然として少ない.安全に臨床応用するためには3次元プリント有床義歯の材料学的な特性,臨床的に生じ得るエラーなども含めて理解する必要がある.本講演では現在報告されている3次元プリント有床義歯の臨床評価や本邦での保険収載に向けて行われた他施設臨床研究の結果を踏まえた臨床的エビデンスを紹介する.また,臨床研究の経過観察で経験した症例を供覧し,3次元プリント有床義歯の実状と今後の発展性に関して考察する.
