日本分析化学会第75年会

シンポジウム

現時点で以下の5つのテーマのシンポジウムを開催予定です。

1. 量子線マルチモーダルが切り拓くサイエンスのパラダイムシフト
2. 次世代バイオイメージングの潮流 ―デバイス革新と分子計測の融合―
3. 核酸フロンティアを拓く分析科学:基礎から医療・創薬への新展開
4. 第100年会を見据えた若手シンポジウム
5. 産官学で学び、議論する次世代の分析試薬

 

 

1. 量子線マルチモーダルが切り拓くサイエンスのパラダイムシフト
オーガナイザー

高貝慶隆(福島大)、大橋弘範(福島大)

概要

量子線科学(放射光・中性子・RI)は、生命、環境、材料など幅広い分野において、物質の構造や機能を微視的に解明する「分析科学の最前線」を担っています。SPring-8、SACLA、J-PARC、JRR-3、そして近年運用が開始された次世代放射光施設「NanoTerasu(ナノテラス)」など、量子線施設を活用した非破壊・高速・高精度な分析技術は著しい発展を遂げています。 本シンポジウムでは、量子線や放射化学分析により,単一手法では捉えきれない複雑な現象の解明に対して「何がどこまでわかるのか?」に焦点を当て、近未来のマルチモーダル解析がもたらす新しい知見創出の可能性と、その先にある分析科学の姿を展望します。

依頼講演

高田昌樹(東北大)
熊田高之(JAEA)
西野吉則(北大)
高椋利幸(佐賀大)

鷲山幸信(福島県立医大)

 

2. 次世代バイオイメージングの潮流 ―デバイス革新と分子計測の融合―
オーガナイザー

佐藤雄介(東北大院理)・伊野浩介(東北大院工)

概要

生命現象の真の姿を理解するためには、複雑な生体系内における分子挙動や細胞間相互作用を、高い時空間分解能かつ非侵襲に捉えるイメージング技術が不可欠である。本シンポジウムでは、電気化学、光学、半導体工学、マイクロ流体技術といった異なるバックグラウンドを持つ気鋭の研究者が一堂に会し、バイオイメージングの最前線と将来展望について討論する。

依頼講演

珠玖 仁(東北大院工)

白崎 善隆(東大先端研)

吉村 英哲(東大院理)

澤田 和明(豊橋技科大)

梶本 真司(東北大院薬)

 

3. 核酸フロンティアを拓く分析科学:基礎から医療・創薬への新展開
オーガナイザー

西澤精一(東北大院理)、吉本敬太郎(東大院総合)

概要

1961年に一本鎖DNAが相補的な配列と可逆的に二重鎖を形成することが見出されて以来 、ハイブリダイゼーションを基盤とする核酸プローブは、PCR法やDNAチップといった現代の生命科学を支える分析技術の根幹を担ってきました 。さらに1990年のアプタマーの発見は 、核酸のポテンシャルを「情報分子」から「機能分子」へと劇的に進化させ、医薬・診断・センシング技術への革新的な応用を可能にしました。

 現在、我が国では戦略目標「核酸フロンティア」が掲げられ、核酸の精密な構造制御や生体内動態の解明、そしてそれらを基盤とした次世代の核酸医薬・RNA標的創薬の実現が強く求められています。このフロンティアを切り拓くためには、単なる構造解析に留まらず、複雑な生物学的環境下における核酸の挙動を「視る・測る・操る」ための分析科学の高度化が不可欠です。

本シンポジウムでは、核酸医薬、RNA標的創薬、核酸アプタマー研究の第一線で活躍される先生方をお招きします。最新の研究成果を共有いただくとともに、高度な分析技術が核酸科学の進展にどのように寄与し、いかなる未来を展望すべきか、その指針を議論します。

依頼講演

小比賀 聡(阪大院薬)

永次 史(東北大多元研)

藤枝俊宣(科学大院生命理工)

塚越かおり(東京理科大)

吉本敬太郎(東大院総合)

 

4. 第100年会を見据えた若手シンポジウム
オーガナイザー

福山真央(東北大多元研)

概要

分析化学は、材料化学・合成化学・電気化学・溶液化学・界面化学など多様な化学分野に立脚し、新たな前処理・分離・計測技術を創出することで、生命科学、材料科学、医療、環境などの学術分野および産業分野の発展に貢献してきた。近年は、科学技術の急速な進展に伴い、解明すべき現象や解決すべき課題が一層複雑化・多様化しており、分析化学にはより多面的なアプローチが求められている。本シンポジウムでは、次世代を担う若手研究者の独創的な研究を通して、四半世紀先の未来を見据え、分析化学の新たな方向性を展望する。

依頼講演

稲川有徳(宇都宮大)

岡田正大(東京理科大)

金尾英佑(京大院薬)

嶋田泰佑(QST
宋和慶盛(京大院農)

外間進悟(京都工業繊維大)

 

5. 産官学で学び、議論する次世代の分析試薬
オーガナイザー

南 豪(東大)、橋本 剛(上智大)

概要

環境問題、医療診断、資源管理、食品安全など、現代社会が直面する課題はますます複雑化しており、それらを紐解く高度な分析技術が強く求められている。その中核を担う分析試薬は、分析化学の発展を支える基盤技術である。日本は、分子認識化学や超分子化学を基盤とした分析試薬研究について、基礎から応用に至るまで従前から世界有数の研究力を有している。今後の分析化学は、高感度検出だけでなく、ボトムアップ型の分子設計とトップダウン型のデバイス開発を融合し、さらに機械学習などのデータ科学的手法と組み合わせることで、統合的な分析科学・分析工学へと発展していくと考えられる。

本シンポジウムでは、大学、企業、公的研究機関の研究者が一堂に会し、次世代分析試薬の分子設計、機能発現、デバイス化、社会実装までを俯瞰的に議論する。基礎研究から産業応用までの多様な視点を共有し、次世代分析試薬の設計指針と研究の方向性を提示するとともに、新たな産官学連携の可能性を探ることを目的とする。

依頼講演

山東 信介(東大)

佐々木 由比(東大)

稲川 有徳(宇都宮大)

唐島田 龍之介(東北大)

木本 洋(野村マイクロサイエンス)

尾関 信之(同仁化学)

西原 諒(産総研)