日本応用糖質科学会2026年度(第75回)大会

会長挨拶

日本応用糖質科学会
会長 平尾 和子
愛国学園短期大学 学長・教授

日本応用糖質科学会令和8年度大会の開催にあたって

 会員の皆様におかれましては,ますますご健勝のこととお慶び申し上げます.正会員,学生会員,維持会員,名誉会員の皆様には,一般社団法人日本応用糖質科学会の活動に際し,平素よりそれぞれのお立場から格別のご支援を賜り,心より感謝申し上げます.本学会は,会員一人ひとりの研究活動と学術的交流によって成り立つ学術共同体です.また,各支部の活発な活動が本学会の力の源であり,全国7支部の連携が学会全体の活力を生み出しています.
 本学会は1952年に「澱粉工業会」として発足し,澱粉科学を礎として歩みを重ね,1972年には「日本澱粉学会」と改称し,さらに1993年には,研究対象の拡大と学際化の進展を背景に,「日本応用糖質科学会」へと発展し,2015年には一般社団法人として組織体制を整えました.この間,企業,大学,公的研究機関の研究者・技術者が密接に連携協力し,現在に至ります.七十余年にわたり,基礎及び応用の両面から,澱粉に加えて各種糖質及び関連酵素の科学技術へと領域を広げ,時代のニーズに応えつつ,糖質科学全体を俯瞰する学術団体として,進歩を遂げてまいりました.
 産業界と学術界とがそれぞれの持ち味を活かして連携し,基礎研究と実用技術開発とを両輪として発展させる姿勢は,本学会の大きな特徴であります.澱粉その他多糖類および糖質の構造・機能・特性の解明,糖質関連酵素の分子構造の解明等の基礎研究のみならず,健康の維持増進,再生可能資源の活用,環境負荷低減による持続可能社会の実現といった視点を踏まえた食品・医薬・材料・バイオマス分野での研究開発が進められ,糖質科学の可能性は大きく広がっています.このように,澱粉科学から始まった本学会の歩みは,いまや地球規模の課題に向き合う学術分野へと発展しています.伝統を礎としつつ,時代の要請に応えて進化を続けてきたことこそが,本学会の大きな強みであります.
 今日の本学会の姿は,歴代会長及び役員の諸先生方のご尽力の賜物であります.その歩みを大切に受け継ぎながら,会員の皆様が活動しやすく自由闊達に議論できる学会運営に努めたいと存じます.また,本学会の未来を担う若い研究者・技術者の皆様が,安心して挑戦し,発表し,成長できる環境を整えることこそが,今を担う私どもの大切な責務と考えております.
 令和8年度大会は,東日本支部実行委員会により,9月2日から4日までの3日間,新潟大学で対面形式にて開催されます.本年次大会が,実行委員会の皆様の力を結集するとともに,各支部の連携をさらに強固にする場となることを期待しております.年次大会は,研究成果を発信する場であると同時に,人と人とが直接顔を合わせて,未来を語り合うことができる貴重な機会です.対面開催だからこそ生まれる率直な討論と新たな連携が,応用糖質科学のさらなる発展を導くことでしょう.皆様のお力により,本大会が澱粉科学の伝統を受け継ぎながら,応用糖質科学の革新的な展開と社会への貢献を展望する機会となることを願っております.そして,若い研究者・技術者に確かなバトンを渡すことができるかを,令和8年度の新潟大会を通じて確かめてまいりたいと存じます.
 学術の力が社会をより良い方向へ導くことを信じ,本学会もその一端を担い続けてまいります.今後とも一層のご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます.
 令和8年度大会への多数のご参加を,心よりお待ち申し上げます.