講演情報
[1I4-GS-4a-06]LLMを用いたニュース閲覧行動のシミュレーションと推薦アルゴリズムが閲覧多様性に与える影響の分析
〇藤木 蓮1、中村 優吾1、峯 恒憲1、荒川 豊1 (1. 九州大学)
キーワード:
大規模言語モデル、推薦システム、シミュレーション、情報的健康
情報推薦システムの高度化に伴い,ユーザのニュース閲覧が特定の視点に偏ることで,フィルターバブルや社会的分断を助長するリスクが指摘されている.これに対し,バランスの取れた情報摂取を目指す「情報的健康」の重要性が増しているが,実サービス上で推薦アルゴリズムの影響を時系列的に検証することは,倫理やプライバシーの制約により困難である.そこで本研究では,大規模言語モデル(LLM)を用いたニュース閲覧シミュレーション環境を構築し,推薦戦略の違いが閲覧多様性と満足度の時間発展に与える影響を定量的に比較した.具体的には,日本語ニュースデータに対し,閲覧履歴に基づくペルソナを付与した仮想ユーザを生成し,半年間のシミュレーションを実施した.実験の結果,推薦戦略によって多様性の時系列推移が大きく異なることが確認された.また,特定のトピックへの選好が強いユーザほど,多様性と満足度の間に強いトレードオフが生じることが明らかになった.加えて,ユーザの性格特性がシステムへの評価に影響を与える可能性も示唆された.本研究は,実ログが不在下でも,推薦システムを情報的健康の観点から時系列で評価可能な環境を構築した.
