講演情報
[2E1-GS-5b-04]ディレクトリ階層構造に基づくAgentic RAGの精度向上に関する研究
〇南波 昇吾1、苗村 万紀子2、黒土 健三2、田邊 亮1、梁 宇シン1、武田 広大1 (1. 株式会社 日立製作所、2. 株式会社日立産機システム)
キーワード:
エージェント、RAG、Agentic RAG
大規模言語モデル(LLM)における検索拡張生成(RAG)は,モデルの知識不足を補完し,事実に基づいた回答を生成する標準的な手法である.しかし,従来のベクトル検索には,文書を断片的な「チャンク」として扱う過程で,文書が本来保持していた構造的文脈や概念的知識構造(Ontology)が不可逆的に喪失するという課題が存在している.このため,大規模かつ複雑な知識ベースにおいて,従来の検索手法は階層的な依存関係や文脈を十分に考慮できず,検索精度の低下を招いていた.本研究の目的は,文書の保管構造そのものが持つ意味情報を検索プロセスに統合することで,複雑なデータ環境下における検索および回答生成の精度を向上させることにある.本稿では,ユーザーが構築した既存のディレクトリ階層構造を明示的な意味的階層として定義し,LLMベースの自律エージェントがその構造を能動的に探索・把握した上で情報抽出を行うAgentic RAG技術を提案する.大規模リポジトリを用いた評価実験の結果,特に類似トピックが複数の階層に散在する複雑なデータ環境において,提案手法は従来のベクトル検索と比較して検索精度および回答の文脈適合性を向上することが確認された.
