講演情報

[3H2-OS-9b-02]境界同一視された膜電位空間上のWasserstein–Fisher–Rao勾配流としてのスパイキング推論

〇岡本 晃朋1、杉山 麿人2 (1. 同志社大学、2. 国立情報学研究所)

キーワード:

計算論的神経科学、不均衡最適輸送、情報幾何学、スパイキングニューラルネットワーク、微分方程式

本研究は、神経系におけるスパイクとリセットを伴う状態遷移を、測度空間上の連続な勾配流として統一的に扱う理論枠組みを提案する。膜電位分布を非負測度で表し、Wasserstein–Fisher–Rao計量に基づく不均衡最適輸送の勾配流として推論過程を定式化した。 不連続なスパイク・リセットを連続的な勾配として内部化するため、膜電位区間の端点を同一視した円環構造を導入した。入力電流がエネルギー汎関数により定まる化学ポテンシャルを歪め、その上で分布ρが輸送されると同時に、反応項によって質量の再重み付けが生じる過程を、本モデルにおける適合(推論)として捉える。この推論力学を制約とすることで、学習を作用最小化問題として定式化した。数値実験では、(i) 円環表現と区間境界結合表現の等価性、(ii) 輸送/反応項の双方が其々発火ダイナミクスと質量調整に必要であること、(iii) 密度形状ρ(θ)が総質量を超えるタスク関連情報を保持することを確認した。離散随伴勾配がpre×post×modulator構造を持つことを検証し、適格性トレースがシナプスフィルタのGreen関数として解釈できることを示した。