講演情報

[4G1-OS-23-06]生成AI時代における変革的創造性の再考社会的ランドスケープ概念を手がかりに

〇小林 茂1 (1. 情報科学芸術大学院大学)

キーワード:

創造性、哲学、藝術

Bodenによる創造性の類型論は人工知能研究において繰り返し参照されてきた.3類型のうち,変革的創造性は概念空間そのものを変容させる点で最も重要とされているが,何が変容するのか,そしてなぜそれが重要なのかについての議論は十分に深められてこなかった.本稿では,平井が提示した社会的ランドスケープ概念を手がかりにこの問いに接近する.社会的ランドスケープとは社会の規範や慣習であり,制作行為を含む多様な行動を可能にすると同時にその範囲を制約する,行動の可能性空間として機能する.この観点からBodenの類型論を再検討すると,探索的創造性と組み合わせの創造性はランドスケープ自体の変容にはつながりにくい.さらにFloridiによるarchetypeとectypeの対比を援用すれば,現状の生成AIモデルは過去の作品のスタイルや技法を再現する(authentic)が新たな創造的ビジョンを持たない(unoriginal)ため,その産物はectypeに留まる.AIと創造的意図を持つ人間が共創することにより,新たなarchetypeとして機能しうる作品の制作が可能になる.その鍵となるのが変革的創造性である.

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