講演情報
[4Yin-A-06]相場操縦にはどれくらいの見せ玉が必要か? 人工市場を用いた分析
〇水田 孝信1、八木 勲2 (1. スパークス・アセット・マネジメント株式会社、2. 工学院大学)
キーワード:
人工市場、エージェントシミュレーション、金融、株式市場、相場操縦
見せ玉とは,需給を誤解させ不正に相場を操縦することを意図して出される取引するつもりのない大量の指値注文(待機注文)のことであり,取引が成立しているわけではないので価格へ与えた効果が計測しづらく,実証分析では見せ玉がなかった場合との価格形成の比較は困難である.そこで本研究では,見せ玉を使って利益獲得を目指す"見せ玉エージェント"を実装した人工市場モデルを構築し,どのくらいの量の見せ玉なら価格形成に悪影響を与え,不公正な利益につながるのか分析した.その結果,平均的に存在する待機注文以上の株数の見せ玉を見せれば,不公正な利益が得られるだけでなく,価格形成に悪影響を与え,株価変動が大きくなり市場が非効率となることが分かった.さらに今後すべき研究として,注文生成AIをエージェントとして人工市場に実装し見せ玉がある場合とない場合の純粋な比較をしたり,意図をもたないAIトレーダーに見せ玉として効果のある注文を出させない方法などを議論したりするなど,提起する.
