講演情報

[4Yin-A-10]グラフデータに基づく複数施策を対象とした因果効果推定

〇島津 翔2,1、佐藤 遍2、岡崎 総一郎1、澤山 熱気2、堀 郁哉2、岡本 大督2 (1. 日本総合研究所、2. 三井住友カード)

キーワード:

因果推論、グラフニューラルネットワーク、変分オートエンコーダ、マーケティング、決済データ

近年,データドリブンな施策運用の重要性が高まっている.特に企業活動では,同一の指標に影響を与える複数の施策が同時期に実施されることがあり,それらの相互作用を考慮した評価が求められる.正確な因果効果推定には交絡因子への適切な対処が不可欠であるが,既存研究の多くはすべての交絡因子が観測可能であると仮定しており,実利用においてその妥当性を確認することは困難である.また,観測できない潜在的な交絡因子の影響を補正するために潜在変数を導入する手法が提案されているものの,潜在変数の推定に利用可能な構造情報が十分に活用されていないという課題が残る.本研究では,顧客と店舗間の決済情報に代表される異種グラフ構造をグラフニューラルネットワークによってモデル化し,潜在交絡因子の推定に統合することで,複数施策の因果効果を推定可能な手法を提案する.人工データおよび企業データに基づく半人工データを用いた実験より,潜在的な交絡因子が存在する設定下において,個人レベルの処置効果および集団レベルの平均処置効果の推定精度に関して,提案手法が既存手法と同等以上の性能を有することを示した.