講演情報

[4Yin-A-39]LLMを用いた採用活動における公平性検証:擬似人格による求人選択バイアス分析

〇北原 康佑1 (1. 株式会社リクルート)

キーワード:

バイアスと公平性、大規模言語モデル、公平性

LLMの急速な普及は,人材採用業界において業務代替の可能性を飛躍的に高めている.しかし,公平性が厳しく求められる採用活動へのAIの関与には慎重な検討が必要であり本研究は,採用活動におけるLLMの公平性の課題を明らかにすることを目的とした.性別に関するステレオタイプな語彙を含むダミー求人40件(主体性・共同体性語彙からなるそれぞれ20件)を用い,LLMに設定した擬似人格(求職者と転職エージェント)の求人選択行動を検証した.実験の結果,女性求職者LLMは主体性語彙を含む求人よりも共同体性語彙を含む求人を有意に好む傾向が示された.一方,男性求職者LLMには有意差は見られなかった.また,転職エージェントLLMは求職者の性別に関わらず公平に求人を紹介することが示された.これらの結果は,LLMが中立的な立場ではバイアスなく振る舞えるよう学習されている一方で,求職者として自己選択を行う場面では実社会のバイアスを反映する可能性を示唆している.したがって,採用活動の一部をLLMによる自己選択に代替させる際には,男女のバイアスが結果に反映される可能性を考慮し,その利用を慎重に進める必要がある.