講演情報

[5Yin-A-26]不確実な医療シナリオにおける大規模言語モデルの臨床意思決定特 性:プロスペクト理論に基づく解析

〇柴木 亮太1,2、小林 和馬1,2、松本 大海1,2、浜本 隆二1,2 (1. 国立がん研究センター研究所、2. 理化学研究所革新知能統合研究センター)

キーワード:

人工知能、プロスペクト理論

人間は「ワクチン後遺症が1%」のような小さい値に対して、実際よりも発生率が高いように感じてしまう認知バイ アスを持つ。プロスペクト理論では、このような不確実な状況下で意思決定を行う際に「主観的確率の感じ方」が選択 に影響することが説明される。本研究では、医療分野において大規模言語モデル(LLM)が、不確実な臨床シナリオに おいて臨床意思決定を行う際に、その判断が客観的確率からどれだけ逸脱するのかを確率加重関数により明らかにした。 特に、モデルの種類やLLM に与えたロール、患者の属性情報などによって、LLM の確率加重関数は大きく変動した。 これは、ハイリスクな医療分野においてLLM を応用する際に、社会的バイアスがLLM の認知バイアスによって増幅さ れ、LLM が客観的確率に基づいた意思決定を行わないばかりか、その歪みが患者の属性によって一層大きくなるリスク を示唆している。