講演情報

[5Yin-A-55]少数事例学習による因果構造推定の推論精度向上の検証

〇安田 卓矢1、持田 英次郎1、村山 友里1、和泉 潔1 (1. 東京大学大学院)

キーワード:

大規模言語モデル、因果グラフ、統計的因果推論

本研究では,経済・金融領域における因果推論タスクを対象として,大規模言語モデル(LLM)が因果構造を有向非巡回グラフ(Directed Acyclic Graph; DAG)としてどの程度正確に推定できるか,また,各因果関係の強度を定量的に推定し得るかを評価する.特に,少数事例学習(Few-shot Learning; FSL)として,因果グラフと因果強度の組を文脈に与えた場合に,推論精度がどのように変化するかを体系的に検証する.評価対象として,既存の金融・経済分野の実証研究から抽出した因果構造データを用い,因果構造推論および因果強度推定を同一の評価枠組みで扱う.因果構造の推論精度は Structural Hamming Distance(SHD)および F1 スコアにより評価し,因果強度推定の誤差は Mean Absolute Error(MAE)および Root Mean Square Error(RMSE)により定量化する.さらに,因果ノード集合への無関係ノードの混入を通じて,ノイズ条件下における LLM の推論性能と FSL の効果を比較分析する.本研究の結果は,LLM を用いた因果構造推論および因果強度推定の有効性と限界を明らかにするとともに,統計的因果推論における因果構造仮説の設定や実務的応用に向けた基礎的知見を提供する.