講演情報
[23001-06-04]LSTMを用いた長期気象観測に基づくコンクリートダム堤体表面温度の推定(シンポジウム講演概要)
*柴野 一真1、萩原 大生2、木村 匡臣3、大野 健太郎4、鈴木 哲也5 (1. 新潟大学大学院自然科学研究科、2. 寒地土木研究所、3. 近畿大学 農学部、4. 東京都立大学大学院 都市環境科学研究科、5. 新潟大学 自然科学系(農学部))
キーワード:
コンクリートダム、パッシブ赤外線サーモグラフィ、熱収支解析、Long Short-Term Memory、気象データ、表面温度、損傷検出、滲出
本研究では,コンクリートダムの表面温度をパッシブ赤外線サーモグラフィ法により計測し,LSTM(Long Short-Term Memory)を用いて表面温度の推定を行った.表面温度の計算において,LSTMが熱収支解析よりも高精度であることが確認された.熱収支解析では考慮可能な気象要素により表面温度を予測するが,LSTMはより多くの説明変数を使用可能であるため,温度の再現精度が向上したと考えられる.具体的には,影の影響や表面状態の変化は熱収支解析では考慮できておらず,LSTMではこれらの要素を暗黙的に考慮可能であると示唆された.滲出箇所の表面温度を熱画像とLSTMによる計算結果と比較したところ,LSTMによる予測が実際の温度変化とより一致しており,パッシブ赤外線サーモグラフィ法を用いた損傷推定の精度向上に寄与する可能性が示唆された.