講演情報

[24008-13-02]土石流によって輸送される流木の破断に関する一考察(シンポジウム講演概要)

*福岡 尚樹1、永野 博之2、浅井 光輝3、橋本 晴行 (1. 西日本技術開発(株)、2. 群馬工業高等専門学校、3. 九州大学大学院)

キーワード:

流木の破断、土石流、破断限界速度、限界ひずみエネルギー、流木長、河道閉塞、九州北部豪雨、白木谷川、朝倉市

本研究は2017年九州北部豪雨で発生した大量の流木を伴った土石流について、流木破断のメカニズムを解明するため、流木の破断限界速度を求めたものである。
まず、流下中に障害物に衝突し破断する流木の荷重状態を、中央に集中荷重が作用した単純支持梁と仮定した。
次に、曲げ変形による引張応力が降伏応力に達したとき、破断が生じるものとして破断限界時の荷重とひずみエネルギーを算出した。
さらに、衝突前後のエネルギー保存則から、流木の破断限界速度を評価し、破断条件を定式化した。
また、朝倉市白木谷川における流木長の調査結果およびシミュレーションによる流木速度の分布を比較した。
その結果、上流部では流木速度が破断限界速度を超えており、流木が流下過程で破断し短くなったと考えられた。
単純支持梁モデルを用いた流木破断限界速度式は、白木谷川における流木長さの変化を概ね説明できることが分かった。