講演情報
[25010-14-03]国指定重要文化財・祇園橋の 振動特性評価および数値解析モデル構築(シンポジウム講演概要)
*王 笑竹1、古川 愛子1 (1. 京都大学)
キーワード:
祇園橋、耐震性、有限要素法
本研究では、祇園橋の微動計測を通じて固有振動特性を推定し、それを再現する数値解析モデルを構築した。図面に基づき解析モデルを作成し、固有振動数の解析結果が計測値に最も近づく解析パラメータを決定した。橋軸直角方向では固有振動特性が計測値に一致したが、橋軸方向では解析値が計測値を上回った。この解析モデルを用いて、近傍強震観測点の過去最大加速度およびその1.3倍の加速度を慣性力として与える静的解析を実施した。その結果、最大引張応力および最大圧縮応力は、最大加速度94.4galおよび122.72galにおいて許容応力度以下であり、石材の破壊の可能性は低いと確認された。しかし、201.9galにおいて最大引張応力が許容応力度に達したことが確認された。今後の課題として、解析モデルのさらなる精緻化とともに、橋軸方向の固有振動特性の再現および耐震補強策の検討が求められる。