講演情報
[16009]情報幾何学を用いた高分子のアフィンネットワークモデルの変形過程の解析
*西川 皐太1、小林 舜典1、畝山 多加志2、垂水 竜一1 (1. 大阪大学、2. 名古屋大学)
キーワード:
アフィンネットワークモデル、情報幾何学、ワッサースタイン情報幾何学、測地線
高分子材料の力学特性の解明は,高性能な材料開発において重要である.しかし,材料の変形を高分子鎖の確率密度関数で記述するアフィンネットワークモデルでは,その統計情報を十分に活用されていない.本解析では,高分子鎖の状態を表す確率密度関数を系の微視的な状態を示す情報として捉える.また,この確率密度関数がなす統計多様体上に,確率分布の輸送コストを測るWasserstein情報幾何学を導入した.そしてエラストマーの緩和変形過程に対し,情報の最短経路である測地線と,自由エネルギーの最急降下曲線を比較した.その結果,両者の経路には明確な乖離が存在し,自発的な緩和過程が輸送論的な最適経路を必ずしも選択しないことが明らかとなった.この情報の最短経路と力学的経路の差異から,変形における経路制約に抗する熱力学的な力の寄与を評価し,変形過程における情報と力学の関係性を明らかにすることを目指す.
