アゲールシンポジウム

12月2日(月)15:45~17:45   
第一会場(ホール)

 

 世界の平均気温の観測史上最高が毎年のように更新されています.今年の日本では近畿や北陸などで10月下旬だというのに真夏日となる日がありました.北海道でこれまで採れなかったカマスやシイラなどの南方系の魚が水揚げされるようになっています.ここ数年,地球の温暖化がすぐ近くに感じられるようになっています.温暖化による気象災害の激甚化もいよいよ真実味を増しているようです.

 水工学の分野でも,水循環や水環境への地球温暖化の影響に関する研究や,気象災害の激甚化に対応するための流域治水に関する研究が盛んに行われており,その分野の若手研究者が増えているのは大変頼もしい限りです.しかし,それに対して河道内における流れや土砂輸送,それによる河床や河道の変動,破堤等に関する研究に取り組もうという若い人が非常に少ないことに大きな危惧を覚えています.水文気象や流域治水の技術はもちろん重要です.が,河道管理技術と組み合わせられることで初めて激甚化する気象災害に立ち向かうことが可能となるのです.

 そこで今回のアゲールシンポジウムでは,「河道管理の現場から河道研究の先端まで」と題して,河道管理に資する河道内における研究に関する話題を取り上げます.河道を管理する公共事業者の立場から,そして河道管理者から管理のための技術を求められる民間のコンサルタントの立場から,さらにその技術を研究する大学の立場から話題を提供してもらい,その中で河道管理技術の重要性や醍醐味を若い研究者に知ってもらう機会としたいと思っています.若い研究者に多く参加していただき,水工土木工学を基礎から支える水理学・流体力学の研究の面白さについても知ってもらえると幸いです.

 


テーマ:「河道管理の現場から河道研究の先端まで

司会:グローカル気候変動適応研究推進小委員会
委員長 小林 健一郎(埼玉大学)

  • 趣旨説明

水工学委員会委員長 泉 典洋(北海道大学)

 

  • 話題提供

「現場における河道管理の取組と課題」
柄沢 祐子 氏
(公益財団法人河川財団 河川総合研究所 次長


「実務における河道水理解析手法高度化のための取組」
保坂 幸一 氏
(八千代エンジニヤリング株式会社 専門課長)

「河道水理研究はどのような現象に挑むのか」
柏田 仁 氏

(東京理科大学 助教)

 

  • 総合討議