講演情報
[SP2-3]医師の働き方改革の現状と課題
馬場 秀夫 (一般財団法人化学及血清療法研究所)

2024年4月より医師の働き方改革が開始された.一般の勤務医は年960時間まで,地域医療確保暫定特例水準や集中的技能向上水準で,年1860時間の制限が設けられている.これは本務の勤務先での時間外労務時間に加え,外勤先での勤務時間も含まれるため,本務と兼業先での時間外勤務時間の適正な把握が求められる.更に,医師の健康確保措置としての連続勤務28時間,インターバル9時間の制限があるため,大学病院などでは,ある程度余裕のある医師の確保が必要不可欠になる.また,医師不足に悩む地方の中小病院で,大学病院の医師に宿日直を依頼している病院では,宿日直許可を取得し,十分な対策を打っておく必要がある.
働き方改革の実践には若手医師を増やし,マンパワー的に余裕のある診療体制の構築が必要不可欠である.低侵襲治療全盛期の時代を迎え,手術時間の延長に伴い外科系医師の労働時間の増加につながっている.患者には体に優しい手術であっても,医師にとっては必ずしもそうでない現状に対して対策を講じる必要がある.
また,特に大学勤務医師の場合,外勤をすることが地域医療を守る観点から,また安定した給与の確保の観点から必要不可欠であるが,そのためには外勤先の医療機関が労基署による宿日直許可を取っておく必要がある.
日経新聞と日経BPによる8月5日~10日の調査結果によると,勤務医の24%が医師の働き方改革関連法施行後も上限時間を超えて働いており,一年前に比べて労働時間が減ったと回答したのは,わずか9%にとどまっていた.また,労働時間の上限規制の影響で勤務先での影響が生じていると回答したものが18%であった.労働時間の上限を超えている診療科,上位5位は消化器外科,呼吸器外科,救急科,心臓血管外科,血液内科となっており,外科系各科の労働時間が長いという実態が浮かび上がっている.この労働時間の長さも昨今の外科医の減少につながっていると考えられる.今後,このような状況を改善するためには以下に示すような様々な取りくみをさらに推進する必要があると考えられる.
特定行為研修終了した看護師やその他のメディカルスタッフへのタスクシフト,医療事務補助者へのタスクシフト,主治医制からチーム制での診療体制への移行,会議時間の短縮,患者・家族への説明の勤務時間内の実施など,さまざまな医師の勤務時間短縮への取り組みが必要であり,各医療機関においては,早急な取り組みが必要である.また,労働時間と自己研鑽の振り分けへの理解と実施が重要である.
診療の効率化の一方で,教育や研究に割く時間の確保と質をどのように担保するかも重要な課題である.
これらの働き方改革実施の現状・今後の展望に関し発表する.
働き方改革の実践には若手医師を増やし,マンパワー的に余裕のある診療体制の構築が必要不可欠である.低侵襲治療全盛期の時代を迎え,手術時間の延長に伴い外科系医師の労働時間の増加につながっている.患者には体に優しい手術であっても,医師にとっては必ずしもそうでない現状に対して対策を講じる必要がある.
また,特に大学勤務医師の場合,外勤をすることが地域医療を守る観点から,また安定した給与の確保の観点から必要不可欠であるが,そのためには外勤先の医療機関が労基署による宿日直許可を取っておく必要がある.
日経新聞と日経BPによる8月5日~10日の調査結果によると,勤務医の24%が医師の働き方改革関連法施行後も上限時間を超えて働いており,一年前に比べて労働時間が減ったと回答したのは,わずか9%にとどまっていた.また,労働時間の上限規制の影響で勤務先での影響が生じていると回答したものが18%であった.労働時間の上限を超えている診療科,上位5位は消化器外科,呼吸器外科,救急科,心臓血管外科,血液内科となっており,外科系各科の労働時間が長いという実態が浮かび上がっている.この労働時間の長さも昨今の外科医の減少につながっていると考えられる.今後,このような状況を改善するためには以下に示すような様々な取りくみをさらに推進する必要があると考えられる.
特定行為研修終了した看護師やその他のメディカルスタッフへのタスクシフト,医療事務補助者へのタスクシフト,主治医制からチーム制での診療体制への移行,会議時間の短縮,患者・家族への説明の勤務時間内の実施など,さまざまな医師の勤務時間短縮への取り組みが必要であり,各医療機関においては,早急な取り組みが必要である.また,労働時間と自己研鑽の振り分けへの理解と実施が重要である.
診療の効率化の一方で,教育や研究に割く時間の確保と質をどのように担保するかも重要な課題である.
これらの働き方改革実施の現状・今後の展望に関し発表する.