講演情報
[O13-6]直腸癌に対する術前放射線化学療法:画像検査を用いた治療効果判定と組織学的応答の検討
沖村 駿平, 竹田 充伸, 波多 豪, 関戸 悠紀, 荻野 崇之, 三吉 範克, 植村 守, 山本 浩文, 土岐 祐一郎, 江口 英利 (大阪大学医学部附属病院消化器外科)
背景:近年,直腸癌に対して術前化学放射線療法(Chemoradiotherapy:CRT)と直腸間膜全切除(Total mesorectal excision:TME)の概念に沿った外科的手術を中心とした集学的治療を行うことが欧米をはじめとする諸国における標準治療であり,本邦においても術前 CRTを行う施設が増加しつつある.また,FDG-PET/CTのStandard uptake value(SUV)は腫瘍壊死率と関連すると考えられ,術前C R Tの効果判定に有用であることが期待されている.術前に治療効果を予測することは,手術術式や治療方針の決定などに有用と考えられており,画像診断による効果判定基準が示されているが,必ずしも病理組織学的治療効果とは一致しておらず画像診断による効果判定の臨床的な有用性の確立には至っていない.
目的:術前CRTを施行した直腸癌におけるCRT前後の下部内視鏡,MRI,FDG-PET検査による抗腫瘍効果評価と組織学的効果判定の相関を明らかにすることを目的とした.
対象と方法:2022年1月から2023年10月までの間に術前CRT後に根治的外科的切除を施行した直腸癌29症例を対象とした.これらの症例において,CRT後の内視鏡的治療効果(CR/not CR),MRI画像(CR/not CR),FDG-PET/CTのSUV max比(カットオフ値:10以上/10未満)と,組織学的効果判定(grade1,2/3)との関係性に関して比較検討した.
結果:各検査と組織学的効果判定の相関関係は,内視鏡的治療効果判定(sensitivity,60%;specificity,84%),MRI画像(sensitivity,81%;specificity,77%),SUV max比(sensitivity,81%;specificity,55%)であった.
結語:直腸癌に対する術前C R Tの完全奏功予測において,治療前後のPET-CTのSUVmax比だけでなく,その他の画像検査を組み合わせて判断するべきである.
目的:術前CRTを施行した直腸癌におけるCRT前後の下部内視鏡,MRI,FDG-PET検査による抗腫瘍効果評価と組織学的効果判定の相関を明らかにすることを目的とした.
対象と方法:2022年1月から2023年10月までの間に術前CRT後に根治的外科的切除を施行した直腸癌29症例を対象とした.これらの症例において,CRT後の内視鏡的治療効果(CR/not CR),MRI画像(CR/not CR),FDG-PET/CTのSUV max比(カットオフ値:10以上/10未満)と,組織学的効果判定(grade1,2/3)との関係性に関して比較検討した.
結果:各検査と組織学的効果判定の相関関係は,内視鏡的治療効果判定(sensitivity,60%;specificity,84%),MRI画像(sensitivity,81%;specificity,77%),SUV max比(sensitivity,81%;specificity,55%)であった.
結語:直腸癌に対する術前C R Tの完全奏功予測において,治療前後のPET-CTのSUVmax比だけでなく,その他の画像検査を組み合わせて判断するべきである.